以前もちょっと触れたことがありますが、 「営業(の仕事)とは何か?」 という問いに対する答えとして、私が一番いいなと思うのは、 「営業とは、お客様から‘課題’をもらうこと」(Task-getting) というものです。
そこで、営業マンのことは、
「タスクゲッター(Task Getter)」(課題をもらう人)
と言い換えることができます。
ここで「課題」とは、
お客さんが抱えている、なんらか解決したい問題や、
充足してほしいニーズ(夢・願望など)
のことです。
営業の仕事における究極の目的は、
言うまでもなく自社商品を販売することですよね。
しかし、そのためには前段階として、
「顧客の求めているものが何か」
を確実に把握しなければならないということです。
この考え方は、セールストークを駆使して
「売り込む!」
という古いアプローチがもはやほとんど通用せず、
「買っていただく(選んでいただく)」
という姿勢で営業に臨まなければ売れない、
今の時代においてより強調されるべきかなと思います。
したがって、営業担当者の資質として
「社交的」「話し上手」
という点はあまり重要ではなくなってきています。
例えば、輸入車販売大手の「ヤナセ」で
昨年全国2位の成績を収めたトップセールス、
石原孝明セールスマネージャーは、
“今もそうだが学生時代からおとなしく、
あまりしゃべらないタイプ。
人と仲良くなるまでに時間がかかる”
と自己分析しています。
(日経産業新聞、2008/04/10)
そこで、営業担当としてはマイナスとなる「話ベタ」を
補うために、石原氏が留意しているのは大きくは次の3点です。
------------------------------------------------
1.聞き上手になる
「どういう車の利用方法を想定しているか」
「荷物は何を運ぶのか」
といった具体的な質問を投げかけ、
顧客の反応をすべて受け止めて対応する。
2.商品知識や関連知識に精通する
顧客に対してパンフレットを見ないでも
即座に的確に答えることができるくらいの知識を蓄える。
「あの人に聞けば何でもわかる」
と思われるくらいの“最高の御用聞き”になれば強い。
3.顧客に暗いというイメージを抱かせない
話が苦手でも、挨拶は元気よく。
服装もカラフルにして、外見で明るい雰囲気を作り出す。
(やはり「暗い」というイメージを持たれてしまうのはだめ)
-------------------------------------------------
石原氏はもちろん、
顧客に対するフォローコミュニケーションも
きっちりやってます。
大きな顔写真入りの年賀状、暑中見舞いを送ることで、
少なくとも年2回は自分の顔を思い出してもらうのです。
次のページ「顧客とのコミュニケーションを上手に取る」
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。