オリコンのグルメランキングによれば、マクドナルドのアイスコーヒーがホットコーヒーを対象とした調査に引き続き第一位を獲得した。
オリコンの調査( http://gourmet-cdn.oricon.co.jp/special/20080508_01.html )は<20~30代の男女お気に入りの1杯を探すべく1280名の男女にブラインドテストを実施>ということ。テイクアウトが可能なマクドナルド、ドトール、モスバーガー、ミスタードーナツ、スターバックスの5社が対象だ。その結果、味の面では香り・苦み・酸味・後味などの各項目で評価が分かれ、拮抗という結果になったが、マクドナルドは100円という価格面での強みから断然トップを獲得している。この傾向はホットコーヒーの調査でも同様であった。
さて、筆者は実は根っからのスターバックス派だ。1996年に銀座松屋の裏に小さな二階建て店舗(現在も営業中)でスタートとした頃から足繁く通ったものだった。だが、残念なことに同調査では買いたいというランクでは他よりかなりポイントが引き離されてしまっている。しかし、「どう考えても味ならスタバでしょ!」となかなか強弁はしにくい感もある。なぜなら、調査は旧来のマクドナルドのアイスコーヒーを対象に行われているのだが、5月16日よりマクドナルド全店でアイスもプレミアムコーヒーにグレードアップするという発表があるからだ。好みの問題でいうなら、断然味はスタバなのだが、正直に言えば100円のマックのプレミアムコーヒーはなかなか侮れなかった。アイスもなかなかの味を引き出してくるのではないだろうか。
そもそも、マックの100円と、スタバの本日のコーヒー(S)280円という価格差はどう考えればいいのだろうか。確かに以前なら、ハンバーガーを食べるついでにコーヒーを頼むことはあったが、100円払ってわざわざマックにコーヒーを飲みに行く気はしなかった。あの「茶色いお湯」と揶揄されていたマックのコーヒーに100円の価値はなかったからだ。それがおいしくなるとすれば、魅力が出てくることになる。
もう一つの要素は店内空間だ。店内の快適さで考えればスタバとマックは比較にならなかった。マックのプラスチック(FRPか?)素材でできた座り心地の悪い椅子や、けばけばしい店内装飾はどうにも落ち着かなかった。対して、スタバはゆとりのある什器の配置、座り心地のいいソファー、照明の加減やポスター、BGMまでオシャレで快適だ。
しかし、マクドナルドも家族向けの郊外店は旧来の趣だが、都市部の店舗は随分とオシャレで機能的に改装されてきている。
日経MJ5月9日号「ファストフード店・”食べる”から”過ごす”へ」という記事でも紹介されている。明るい木目と白の什器と店内装飾。一人でも過ごしやすいような座席を多く確保。さらに無線LANにコンセントまで提供している。ちょっとした休息とメールチェックなどにはもってこいの環境だといえるだろう。これでコーヒーが100円。さらにもうすぐアイスコーヒーもおいしくなる。もしかすると、マックはこの夏のアイスコーヒー戦争で一人勝ちになるのではないかという気配も漂ってくる。
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2008.10.29
2015.07.10
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。