支持率が20%を割り込み、「危険水域に入った」と言われている福田政権ですが、11日、参院で福田康夫首相への問責決議案が可決されました。議院での数の論理とはいえ、福田首相が一国の総理としてふさわしくないと感じている国民は多いのではないでしょうか。
ずばり「福田政権に欠けているものは?」と聞かれるとその回答の大半は福田首相個人に起因するもので、「リーダーシップ」という答えも多いようです。日本国という組織の観点で捉えれば、企業におけるリーダーシップも同一です。今そしてこれからの時代に求められる「リーダーシップ」とはいかなるものでしょうか。
昨年のFortune誌に、『The Top Companies for Leaders 2007』という強いリーダーを育成する風土がある企業のランキングが掲載されていたのですが、日本企業がまったく入っていないのです。
総合ランクに加えて、アジアパシフィックというセグメントがあるのですが、中国、インド、マレーシアの企業がランクインしているにもかかわらず、日本企業は一切入っていません。
企業単位の世界ランキングでは常に上位を占める日本企業も「リーダーシップ」の分野になると未だ発展途上ということになります。
ランキングの1位はGEで2位はP&Gでした。しかし、日本を代表する世界的企業であるトヨタは人材教育にも熱心であるにもかかわらず、ランキングに入っていないというのは何故なのでしょうか。
企業における「リーダーシップ」の重要性が謳われていることは今も昔も変わりませんが、一口に「リーダーシップ」といっても、範囲が広く、解釈には大きな幅があり、昔のリーダーシップ、今のリーダーシップ、これから求められるリーダーシップでは内容が異なることに気づかされます。
書店の店頭に並んでいた本のタイトルを思い出すとわかるのですが、一昔前のリーダーシップ論は、「人の動かし方」や「部下をいかに操るか」というような"やり方"に終始していました。策略の指南書といっても過言ではない感さえあります。
ところが、最近の新刊本を見ると趣が随分と変わってきていることに気づきます。
本のタイトルを見ても一目瞭然です。“やり方”論ではなく“あり方”論を主軸においているものが多く見受けられます。ただ、中には“あり方”論に固執するあまり、自己啓発系の本になっているものがあることは残念ですが・・・。
つまり、“あり方”が確立された上で、最適な“やり方”を身につけることによる、“あり方”と“やり方”の共創こそが圧倒的な成果を生み出すリーダーシップといえるのではないでしょうか。
そして、この条件を充足したこれからの時代にリーダーに求められるリーダーシップの重要な要素としてファシリテーションスキルが今世界的に注目されています。
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2010.03.20
2015.12.13
松本 真治
有限会社ワースプランニング 代表取締役
人材・組織開発コンサルタント。 人材・組織の潜在力を引き出すアセスメント(サーベイ)の企画/開発/運用から本質的課題を抽出し、課題解決のための最適なソリューション(研修・教育プログラム)の設計/運営までのコンサルティング・サービスを展開中。 人/組織が本来持ち備えている力(潜在力)を引き出し、人/組織が自律的で持続的な成長を遂げていく支援をさせていただいています。