Googleの発表によると、米国ではiPhoneからの検索数が、他の携帯端末からの検索の50倍にも達していることが分かりました。
Googleの担当者自身、最初は「何かの間違いでは?」と思ったそうですが、今後、他のメーカーもiPhoneに追随し、簡単にWebにアクセスできる携帯端末が普及すれば、数年後には、携帯端末からの検索がPCを上回る可能性も出て来たようです。
これだけ読むと、米国もいよいよモバイル大国への道を歩み始めたようにも思えますが、その道筋は日本とは少々異なっているようです。
iPhoneやiPod Touchをお使いの方ならご存知かもしれませんが、iPhoneにもMacの標準ブラウザであるSafariが登載されており、iPhoneユーザーがアクセスしているのはPC用の検索サイトということになります。
つまり、米国においては、デバイスによる検索エンジンの壁が崩れ、モバイルユーザーもPC ユーザーと同じ検索エンジンを利用するという方向に向かっていると考えられます。
一方、Googleに対抗するYahoo!は、米国の大手携帯キャリアであるT-Mobileの公式サイトに検索エンジンを提供する契約をGoogleから勝ち取りました。日本で言うなら、Googleを押しのけて、NTTドコモのモバイル検索エンジンに採用された、くらいのインパクトがありそうな話ではあります。
ただ、今後、多くのユーザーが、携帯端末からもフルブラウザを使ってPCサイトを検索するようになるとすれば、モバイル検索エンジンの存在意義自体が、徐々に薄れていくのかもしれません。
日本では「ハンドヘルド端末」は成功しないというジンクスもあるようで、筆者も実はかつてモトローラのM1000という端末を使っていたことがありますが、確かに、満員電車で片手でメールが打てない端末は、日本では厳しいなぁ、という感想を持ちました。
そういう意味では、先月、日本に上陸したiPhoneが、どこまで普及するのか不透明な部分もありますが、jigブラウザなど、携帯電話で利用できるフルブラウザも増えており、パケット定額制という追い風もある中、モバイル検索エンジンは、意外に早く、その役目を終えることになるのかもしれません。
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2008.08.07
2010.04.12