売りたい商品を買ってくれる「優良顧客」を見つけるには、売り手のセンスと買い手のセンスの結びつきが必要。そのために有効な分析手法とは?
リーマン・ショックも影響してか、多くの企業が「優良顧客」の抽出に一層強い
関心を示すようになってきています。それも、従来のRFM分析のような購買力を
指標とした顧客分析から、クロス・マーチャンダイジングなどの商品戦略への
結び付きを重視した「商品×顧客分析」になってきているようです。
単純に言うと、良く売れる商品を見つけるのが商品分析、良く買ってくれる
お客を見つけるのが顧客分析ですが、もう少し正確に言うと、利益を出せる
売れ筋(=売りたい商品)を見つけるのが商品分析であり、利益貢献度の高い
優良顧客(=買って欲しいお客)を見つけるのが顧客分析です。
しかし、この両者が同じ割合で結びついているかと言うと、決してそうではありません。
全体の売上に占める「特価品」の割合が高いほど、「優良顧客」の占める割合は
下がっているケースさえあります。
では、どうすれば、「売りたい商品」を「買って欲しいお客」と結びつけることが
できるのでしょうか?
その具体的な方法のひとつが、「軸」になる仮説商品を決め、商品のライフサイクルと
その商品に対する顧客の購買行動の全体売上への影響を見るというやり方です。
全体売上への貢献度(影響度)の高いであろう商品を(仮に)定め、その導入期から
撤収期までに対して、顧客の購買行動や売上貢献度がどのように変化するかを
顧客属性ごとに追跡するのです。
(常設商品では、この方法は難しいと言うことにもなるのですが。)
バスケット分析等で、類似した方法をやっているという方も多いかもしれませんが、
では、その「軸」の商品がどの程度、全体の売上に貢献(影響)しているかを
把握できていますか?また、その商品の価値を形作る「属性」を把握していますか?
あるいは「属性」を把握できるまで継続していますか?
クロス・マーチャンダイジングを実施する上で重視すべき点は、バスケット分析で
「売れる組み合わせ」を「現象として」見つけることだけではありません。
全体への貢献度の高い組み合わせの「意味」を見つけ、その「意味」に反応する
価値観(センス)を持った顧客とその感応度を見つけることです。
ある特定のパンとある特定のジャムの組み合わせの売上が大きなものでは
なかったとしても、そこから見つけ出した「意味=購買理由=価値」が、そのお客様が
買っている他の商品にも共通するのであれば、それは、全体への貢献度の高い
組み合わせと言えますし、そのパンとジャムの組み合わせが売り手側から提案した
ものであれば、それは、売り手と買い手のセンスが一致したと言うことになります。
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