ご縁がありまして、和田秀樹さんと2時間近くお話させていただきました。 その話、および和田さんの近著の中で紹介されているデータの話題から。
◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。
和田さんは『意欲格差』という書籍を最近出版されました。
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上記書籍の中で、2006年末、日本青少年研究所が行った「高校生の意欲に関する調査」が紹介されています。
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暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい
<中国>
とてもそう思う 17.8%
まあそう思う 23.4%
<アメリカ>
とてもそう思う 13.8%
まあそう思う 33.0%
<日本>
とてもそう思う 42.9%
まあそう思う 37.9%
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日本が際立って「そう思う」割合が高いのです。
「適当な収入で、のんびり暮らす」こと自体、あるいは、そう思う人が多いこと自体については、そんなに悪いことだとは思いません。
いいじゃないですか、のほほんと幸せそうで。
多分僕も高校生だったら、同じように答えていたと思います。
また、日本の場合、「お金を稼ぐ人、偉くなった人がずるくて悪い人」のようなイメージをマスメディアの報道を通じて植えつけられてしまう側面があるため、
「あんなふうにはなりたくない」=「お金は暮らしていける分があればいい」
という発想になりやすい側面もあるでしょう。
しかし、「今の日本」に育つ「今の若者」の8割以上が「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい」と答えることには、いささかの危機感を覚えます。
彼らが大人になり、「やるべきこと、なすべきこと」をしっかり弁えていれば問題ないのですが、残念ながら弁えていない若者が増えていると感じているからです(それもこれも、大人が若者へしっかり伝えていないからであって、彼ら自体にはほとんど責任がないのですが)。
「適当な収入でのんびり暮らす」ための必要条件として、次の3点を弁えることが大切です。
1.のんびり暮らす=勝手気ままに生活する、ことではない。収入を得るために「汗水たらす」「嫌な労働も引き受ける」ことも必要。
どうも「のんびり暮らす」と語る若者は、「勝手気ままに」「好きなことやって」、あるいは一時ブーム!?になった「自分探し」という言葉を使い「奔放に」、というイメージでいる人が多いような気がします。
しかし「それだけ」で生活できるわけはないんです。
収入を得るために、時には汗水たらしたり、時には嫌な労働も引き受けたり、時には「好きなことをやるために必要な」勉強をがむしゃらにしたり…
そういうことも必要なんです、もちろん。
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