『CD不況・音楽好況』。音楽業界では、こんな言葉が定着しているようだ。つまりダウンロードで音楽ソフトは売れているけれども、モノとしてのCDはさっぱりダメ。この流れの先はどうなるだろうか。
宇多田、二つ目の新記録
ダウンロード総数1,000万を突破。少し古い記録になるけれど、宇多田の楽曲ダウンロード数が昨年1?9月の累計で1,000万を超えた。これは世界一の記録らしい(といっても公式記録ではないようだけれど)。
宇多田ヒカルといえばデビューアルバムが700万枚以上売れ、これは累計で最も売れた日本のCDとなるという(筆者も700万分の1である)。つまりリアルなCDでは日本一の販売数を誇り、デジタルダウンロードでも(恐らくは)日本一、宇多田二冠達成ということになる。
まあ、確かに曲が良ければ、歌もすごい。ついでに詩だってなかなかだ。顔は好き嫌いがあるだろうけれど、少なくともイヤミはないし、むしろ積極的にかわいいというか(というのは好みの問題ですけど)。
CD不況・音楽好況の時代
その宇多田のデビューアルバムは1999年に発売された。今からもう9年も前のことになる。その頃にもすでにインターネットは存在した。が、ISDNを引ける人が珍しいぐらいの通信環境だった。ブラウザーはまだネスケもそこそこがんばっていた時代で、パソコン雑誌を買うとたいていそのバージョン2.0とかが入っていたような気がする。
この時代には、まさか音楽をインターネットを通じて買うような未来が目の前に控えているとは、予想もできなかった。なにしろピ?ガァ?でやっとネットにアクセスできても、なっかなか画面が表示されないのだ。特に夜11時からスタートするテレホタイムなどは最悪である。たかだかasahi.comぐらいのサイトでもトップページを表示するのに数分かかることさえ当たり前、そんな時代である。
ところが通信環境は、恐ろしいばかりの勢いで進化する。個人的にも程なくしてISDNに切り替え、次はADSLを引いた。これがベスとエフォート8MBぐらいだったけれども、たまげるぐらいに早かった。たいていのサイトをかかっても30秒ぐらいでは見せてくれるようになった。
そして光ファイバーの時代が来る。奈良の田舎でも光回線を引けるようになり、工事をしてもらった後、恐る恐るネットにつないでみてびびる。ページ表示なんて一瞬である。ちょうどその頃てナップスターやグヌーテラが話題を集め始めた。ネットで音楽や動画までをやり取りできるような時代が来たわけだ。
iTunesの衝撃
やがてAppleが音楽をネットで売り出した。iTunesである。最初は、そんな音楽をネット買うような人がいるものかとか、ダウンロードしたところでパソコンでしか聞けないのなら売れないだろう、という声も大きかった。が、それから後、何が起こったかはご存知の通り。今やAppleの社名には、昔付いていたcomputerの文字はない。
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