年が明けて、 花粉症の季節も近づいてきましたねぇ・・・ 私も以前より症状が軽くなったものの、 毎年、花粉症に悩まされるひとりなので戦々恐々です。 さて、以下は先日掲載された、 ダイヤモンドオンラインの記事タイトルです。
日本の国民病「花粉症」に、
“ガン予防の効果あり”という意外なメリット
このタイトル、素直に読むと、
「花粉症になれば、ガンが予防できる」
と「花粉症」と「ガン」の間に因果関係があるように
解釈できてしまいますよね。
記事の内容を読むと、
実際のところはそんなことではありません・・・!
花粉症のようなアレルギー疾患は、
通常は無害な物質や刺激に対して「免疫システム」
が過剰に反応するために発生するもの。
つまり、
免疫システムが敏感すぎる
ということです。
こうした敏感な免疫システムを持っている人
すなわち、「アレルギー症状を持つ人」は、
通常細胞が異常細胞化した
「ガン細胞」
を早めに察知して撃退する能力も高い。
このため、ガンになりにくいと考えられているそうです。
まあ、花粉症患者にとっては、
「症状」は軽くならないものの、
少なくとも「気分」は軽くしてもらえる記事です。
ただ、当該記事のタイトルは
なんともミスリーディングなものですよね。
上述したように、
「免疫システムが敏感である」
(=体内の異常物質に対する監視機能が強い)
という共通の「原因」によって
・花粉症になる(アレルギーが起きる)
・ガンになりにくい(ガンが予防できる)
という2つの「結果」がもたらされています。
したがって、
花粉症とガン予防の間には、
「相関関係」
(同時に発生や変化が観察される関係)
はあっても、
「因果関係」
(一方が原因で一方が結果の関係)
はないのです。
要するに、花粉症になれば、
ガン予防ができるということにはなりません。
もちろん、当該記事のタイトル、
日本の国民病「花粉症」に、
“ガン予防の効果あり”という意外なメリット
をそのまま素直に受け取った方は、
そう多くないでしょうけどね。
明らかに変ですからね。
しかし、世の中には、
単なる「相関関係」に過ぎない現象について
「因果関係」
があるかのように言われ、
人々がすっかり信じきっていることが
山ほどあります。
マスコミが掲載する記事の場合、
目を引くキャッチーなタイトルにするため、
当該記事タイトルのような、あたかも因果関係が
あるような表現を狙ってつけることが多いのです。
また記事の内容自体も、
明確な根拠もなく、因果関係があるような説明を
されているものをよく見かけます。
ネット記事の場合、特にこの傾向が顕著のようです。
ですから、各種記事のタイトルや内容に、
因果関係について書かれているものがあったら、
「それは本当に原因と結果の関係があるのかな?」
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2009.10.27
2008.09.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。