今回は、社員をレベルアップさせる評価方法についてお話します。 社員評価は「社員のレベルアップ」を目的にすることが重要です。 評価によって社員ごとに「不足しているスキル」を把握し、その社員が抱えている課題を解決しレベルアップにつなげていくことが重要なのです。 実際に店舗指導員の事例をもとに「社員評価」について解説していきます。
今回は、私の主要テーマである「店舗経営指導員」、中でも「評価」についてお話させていただきます。
店舗指導員の評価軸を大きく分割しますと「定量評価」と「定性評価」に分かれます。
●定量評価
担当店舗の営業数値についての評価軸です。
「前年比」「前月比」「担当変更改善比」などの基準で売上、粗利、営業利益といった数値を評価するものです。
●定性評価
店舗経営指導員個人の「仕事の進め方」について評価するものです。
一般的には「勤務態度」「企業ビジョンの落とし込み」「業務ミッションに対する取組姿勢」等について上長が本人と面接を行い評価するものです。
定量評価は「数値」という絶対評価基準がありますので不公平感は薄まりますが(担当店舗に関する不公平感は残りますが)、問題提起されるのは、定性評価の部分です。
上長もしくは人事部といった「人が人を評価することになる」ため、絶対的な評価とは見えにくく「エコヒイキ」のように見える場合が存在してしまうことです。
そこで大多数の企業では、「定量評価」を重視するような評価基準になっています。某大手コンビニエンスストアチェーンでは、「定性評価」は基本的な勤務態度のみを確認し、大半の評価基準は本部施策の徹底度となっています。
本部より「コレを重点販売しよう」と施策が落とし込まれその商品をどれだけ販売したのか? という評価を「本部施策の徹底度が高い」=「よく仕事をしている」と判断しているのです。
私もコンサルティングを行うなか、店舗指導員の評価基準を設定する業務を行ったことがあります。
当初は、「定性評価=本部施策徹底度」としていました。
しばらくその基準で運用してみました。結果は目覚しいものがあり本部施策の店舗での徹底度、重点商品拡販結果が1年前と比較して約200%にまで伸びることができました。
しかし、この基準では店舗指導員の格差が広がってきてしまいました。常に下位にランキングされている店舗指導員はモチベーションが下がってきてしまったのです。
結果として「やる店は大きな結果を出す」「やらない店はいつまでもやらない」というチェーン施策の周知徹底には不都合な問題が発生することになってしまいました。
新しい定性評価基準を再設定することになり、「下位にランキングされている人を救済し、チェーン施策を全店徹底させるには?」という視点で考察しました。そこで、定性評価を「店舗指導員に必要なスキルを身に付けているか?」という基準に修正しました。
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