不祥事が明らかになった企業幹部の釈明・謝罪会見。 彼らの口から決まって出てくるのが、次のような言葉です。 「結果的に、○○○と受け取られても仕方がない」 *○○○には「偽装」「粉飾」「手抜き」などが入ります。
はっきり言って、この言い訳ほど情けないものはありませんよね。
会社の行動がどんな結果を引き起こすのか
をまるで予想していなかったような苦しい言い逃れ。
なぜ、素直に
「自分がやりました、悪うございました」
と言えないのか。
言えない理由は明らかですけどね。
それは、謝罪において最も必要な
「誠意」
が欠けているからでしょう。
謝罪する気が本当はないのに、周りが責めるから、
仕方なく頭を下げるふりをしているだけなんですよね。
さて、謝罪には「誠意」が不可欠とはいえ、
「誠意」さえあれば、謝罪はうまくいくというものでは
ありません。
誠意を持ってお詫びしているつもりが、
お客様はますます逆上。
火に油を注ぐような結果になることだってあります。
何事も、「気持ち」に「技術」が伴わないと
いい結果につながらないのです。
実際、日々企業などに寄せられるお客様からの苦情に
対してうまく対応できず悪化させるケースが多いようです。
顧客接点にいる方たちは、もう少し、
「謝罪の技術」
をちゃんと学ぶべきじゃないかと思うんですけどね。
そこで、「お詫びの技術」を簡単にご紹介したいと思います。
出典は、
この本は100ページちょっとの内容ですが、
本当にすばらしい。さすが山田ズーニー氏です。
さて、ズーニー氏が同書で挙げる
「伝わらない謝罪文」
は次のようなもの。
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このたびは、誠に申し訳ございませんでした。
日ごろミスが出ないよう万全をつくしてはいたのですが、
これからは、こういうことがないよう精一杯
がんばりますので、よろしくお願いします。
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誠意は感じられないこともないのですが、
すんなり納得できるお詫びではないですね。
同じミスが再発しないという確証が持てませんし、
もし再発しても、やはりこんな形式的なおわびを
繰り返して「その場しのぎ」をするだけじゃないか
と思ってしまいます。
ズーニー氏は、企業で編集をしていた16年の間に
たくさんのおわびの文章を書いたそうですが、
その経験から、一定の構造を持つ謝罪文を
書くようになったそうです。
ズーニー氏によれば、
相手がどんなお詫びを求めているかを考えると、
・まず自分が受けたダメージをわかって欲しい(相手理解)
・そして、本当に悪かったと認めた上で(罪の認識)
・ごめんなさいと謝って欲しい(謝罪)
・損害が発生している場合には、
どのように償ってくれるのか(償い)に関心がある
・また、今後同じようなことが起きないために、
どうするのか(今後の対策)にも 興味がある
次のページ「お詫びの構造」
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2009.10.27
2008.09.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。