ギフト家電の可能性

2009.02.24

営業・マーケティング

ギフト家電の可能性

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

先日、東京ドームで開催されていた 「世界らん展日本大賞」 に行きました。 「らん」の花が大好きだから・・・ というわけじゃなくて、招待券をもらったからです。 そうでなければ、 まず私なんぞが行くことのない展示会ですね。(笑)

実際会場を歩いてみると、中高年女性比率がやたら高い!
いわゆるコンパニオンさんもほとんどいませんでした。

想定内でしたが、
やはりちょっとガッカリです・・・

そんなスケベ丸出しの発言はさておき(笑)、
様々に工夫を凝らした各種らんの展示は見事でした!

思わずデジカメを撮りまくり。
そこそこきれいな写真がたくさん撮れました。

がさつな私が見てもとても癒される美しいらんの写真。
仕事の合間とかに見たいなと感じました。

でも、プリントすること自体面倒だし、
もしプリントしたとしても整理・保管に手間がかかります。

このままでは、今までのデジカメ写真と同様、
パソコンのハードディスクの中に死蔵されてしまうのがオチ。
ちょっと残念です。

似たような経験、
あなたもされているんじゃないでしょうか?

さて、このような消費者の悩みを解決する商品である、

「デジタルフォトフレーム」

の市場がこのところ急速に拡大中です。

2007年の販売台数は約3万台でしたが、
2008年には、23万台と8倍近い成長を記録しました。

今年もこの勢いは続く見込みだそうです。
(日経デザイン、March 2009)

デジタルフォトフレーム市場を牽引しているのは、
現在約35%のシェアを持つと言われているソニー。

ソニーが現在トップシェアを獲得できたポイントは、
日経デザインによれば、

「ギフト家電」

という切り口でアプローチしたからとのこと。

デジカメ写真を自分自身で楽しむ用途よりも、

・子供(孫)の写真を入れて祖父母にプレゼント
・結婚式、披露宴で撮影した写真を入れて友人にプレゼント

といった

コミュニケーションツール

としての購入をソニーでは開発段階から
想定していたそうです。

そこで、ソニーのプロダクトプランナー、
樋口氏が、同社のデジタルフォトフレーム、

「S-Frame」

の開発に当たって力を入れたのが「梱包」でした。

“梱包は中身の保護が主目的だが、
 この製品は梱包も商品力の一部”

(樋口ブランドプランナー)

というわけで、ブランドものの靴箱を参考に開発。

買ったままの箱の状態でも、
ギフトとして贈れるほどの質感のある梱包形態を
追求したそうです。

同時に、贈る人がいったん製品を取り出して、
写真データを入れた後に詰め直すことが簡単に
できるような設計にしてあります。

ソニーのこの作戦は、ズバリ当たったようです。

ギフト目的で「S-Frame」を購入する人の割合は、
3-5割に達しているとのこと。

他社製品はどのような目的で買われているかの情報は
今のところありませんが、おそらく店頭で比べてみたら、

次のページ「ギフト用ならやっぱりソニーのS-Frameだな」

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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