日本の農業を取り巻く問題には様々なものがありますが、 3年前、「国立ファーム」を設立し、日本の農業界に殴り込み をかけた高橋がなりさんが解決しようとしている最大の問題は、 「優れた農産物を生産している農家が報われない」 ということだそうです。
あえてポイントを絞りますが、
上記の問題を生み出している最大の原因は以下の2点です。
・全ての農家に標準的で同質な農産物の生産を求めるJA(全農)
・バイイングパワーを駆使して、大量販売に適した納入形態を求め、
また、仕入れ価格をとことん引き下げようとする大手小売店
要するに、農家と消費者の間に介在している
JAや小売店
の支配力が強すぎるのですね。
このため、農家の創意工夫によって、
他農家とは異なる品種を採用したり、独自の生産方法を開発して、
おいしいとか、栄養価が高いといった農産物を作り出しても、
市場に出すと、その他の農産物と同じ価格(=安値)でしか
売れないのです。
経営努力で、他者との「差別化」(差異化)を
いくら図っても、農家の経営努力に相応しい対価を
得にくいのが、日本の農業界なのですね。
ただし、近年、マーケティング力、販売力もある農家は
消費者との直接取引を開拓することで上記の問題を
解決しています。
また、「オイシックス」「大地を守る会」といった
有機の、あるいは安全な農産物を扱う通販会社の台頭によって、
「報われない農家」
という現状は一部改善されつつあります。
しかし、本来、職人的クリエーターである農家の多くは、
マーケティング力、販売力には長けていません。
農産物に強い通販会社も、
農家との緊密な関係を大切にしているとはいえ、
やはり軸足は消費者側にあるため、それほど高く売ること
ができません。
こうした現状を踏まえ、がなりさんは、
優れた農産物を作れる農家=篤農家の
マーケティングやセールスを支援するため、
「ブランド重視のコミュニケーション戦略」
と「自社独自の流通チャネル構築」
を通じて
「地位も名誉もお金もあるカリスマ農家」
を生み出そうとしています。
ブランド重視のコミュニケーション戦略と、
自社独自の流通チャネル構築は、
くしくも、AV業界で成功を収めた
ソフト・オン・デマンド(SOD)
のやり方でもありました。
(低価格を除いて)
SODでは、従来のAV商品とはまったく異なる、
斬新な企画の商品を開発、低価格で販売して、
ユーザーの支持を得ました。
そして、がなり氏自身がマスメディアに積極的に
登場することで高いブランドイメージを構築。
また、SODの主体は「販社(卸)」であり、
同社、および他社の商品を一括で扱うことによって、
小売店との交渉力を強化したのです。
SODのAV商品は当初、
「たくさん売ってるんだから、もっと仕入れ値を下げろ」
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2009.02.10
2015.01.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。