コーズ・リレーテッド・マーケティングという言葉をご存知ですか? 利益の一部を社会に貢献する事業を行っている団体に寄付する活動を通して、 売上の増加をもたらすマーケティング手法を指します。 目的は「マーケティング効果」なのか?「社会貢献」なのか? 本質的な目的を明確に定義することは難しいところですが、 この新たな概念はその両立を目指しているといったところでしょうか?
「コーズ・リレーテッド・マーケティング」、、、
それは、ソーシャルマーケティングの新しい姿だと思うのです。
■ 発端はアメリカンエキスプレス
その端を発したのは、83年にアメリカン・エキスプレス社が行った
「自由の女神修復キャンペーン」だと言われています。
カード加入で1ドル、カード利用1回で1セント寄付するというもので、
キャンペーン期間中、カードの利用が約30%増え、
修繕のための寄付が170万ドルも集まったと言われています。
■ ボルヴィックのキャンペーンとその成果
最近の有名な事例では、以前ブログでも書きましたが、
ボルヴィックの「1L for 10L」キャンペーン。
2005年にドイツでスタート(エチオピア向け)し、
2006年にフランスでも展開(ニジェール向け)され、
そして、2007年に日本でマリ共和国支援として実施されました。
重要なのは、この結果ボルヴィックはマーケットシェアが前年の1.3倍になり、
クリスタルガイザーを抜いて、トップシェアに躍り出たようです。
■ 王子ネピアのキャンペーンとその成果
同様に有名な成果を残したのは、王子製紙のネピア。
東ティモールに千のトイレを作るキャンペーンを実施しました。
名づけて「千のトイレプロジェクト」。
こちらも、シェアは3位からトップへと実績を残しました。
■ CSRで重要なこと
オルタナ編集長の森摂氏、曰く。
CSRで重要なのは、
・献身的(見返りを求めない)
・持続的(すぐに止めない)
・独創的(横並びでない)
・本質的(表層をなぞらえない)
・全社的(個人に頼らない)
という5つの視点だと言っています。
■ 献身的
これは微妙ですが、あくまで目的ではなく、
結果として顧客の支持が得られるものだと思います。
ここが、これまでのソーシャルマーケティングとは
一線を画する部分だと思うのですが、
企業が担いだ「社会貢献活動に顧客を巻き込む」ことが目的で、
その結果、当然売上やシェアアップが伴ってくるはずなんです。
■ 持続的
ボルヴィクの活動も未だに続いています。
年間期間限定ではありますが、同社は最終目標を
10年間で延べ約7億リットルの清潔で安全な水を提供するとしています。
まさに長期的視点に立った活動ですね。
■ 独創的
わが社ならではの実施意義・大義が必要ですね。
あくまで、自社の歴史的な背景や本業の関連領域での社会貢献であることが
望ましいところです。
・ボルヴィック → 水
・王子ネピア → トイレ
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