なぜ、「ユニクロ」は強いのか?不況下での勝ち組代表「ユニクロ」のブランド戦略を考察します。
4月16日(木)、ユニクロが中国において、アジア・ナンバーワンのショッピング
サイト「陶宝(タオバオ)」とのパートナーシップにより、ネット通販事業を
スタートさせました。
タオバオモールは売上高1000億元超、会員数1億人(!!)以上(2008年度)を
誇る中国の最大のオンライン・ショッピングモールで、同じく中国のネット・
トレード最大手「アリババ」の中核事業をなすものです。
ひとことで言えば、「なるほどね」「やっぱりね」というところでしょうか。
ユニクロの中国市場への本格展開が始まったと言うことでしょう。
ここから先は、私の勝手な推論ですが、今回の中国でのネット通販も含めて、
ユニクロはブランド戦略の柱に「先進性」と「環境性」を据えているのでは
ないかと考えています。
<以下ユニクロHPより抜粋>
私たちファーストリテイリングは、「衣服のありかた」を変えることで
世界中の人々の生活を豊かにしていきます。
世の中にとって継続的な価値をつくる企業であるために、正しい経営を追求し、
社会と共に成長し、次の世界基準を創造する。
「世界を良い方向に変えていく」、それが私たちの目指すCSRです。
<ここまでユニクロHPより抜粋>
この文章は、ユニクロのホームページで、企業情報の中のCSRビジョンとして
語られているものですが、「世の中を良い方向へ変えていく」ために「衣服で」
とは言っていないところに私は注目しています。
「衣服のありかた」で変えていくと言っているのです。
「衣服のありかた」とは、いったい何でしょう?
作り方、買い方、使い方、そして捨て方(?)までを含めて「衣服のありかた」と
表現しているのではないでしょうか。
つまり、ユニクロが市場に対する価値として提供しているものは「ありかた」という
「人の意識」や「意味」であって、衣服という「もの」ではない。
だから、提供すべきもの(=求められるもの)は「世の中を良い方向に変えていく」
ための方向を指し示す「基準」が必要になる。
それが、多分、「先進性」と「環境性」。
前向きで、身体にも地球にも(サイフにも)優しい「ありかた」。
この二つの価値を「より良く伝えるための装置」や「見せるための形」を、いま
ユニクロはさまざまな手法によって整備し続けているのだと思います。
一世を風靡したフリースやヒートテックといった機能性衣料の開発はもちろん、
ダボス会議(=世界経済フォーラム)における「JAPAN LUNCH」の運営や、消費者や
デザイナーを巻き込んだ「UT GRANDPRIX」の開催、あるいは先日発表されたジル・
サンダーとの提携等々に象徴される「先進性」。そして、「瀬戸内オリーブ基金」や
「サンキュー・リサイクル」を初めとする「環境性」なども、その一環でしょう。
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