「○○が問題だ!」と、問題提起をすることは重要。しかし、それは本当に「問題」なのだろうか。
「残業時間がなかなか削減できない」。
「人為的なミスがなくならない」。
では、そんな問題をどうしたらいいか、解決策を検討しよう!
・・・というようなコトにはなっていないだろうか。
上記の2つの例は「問題」ではなく、起こっている「現象」だ。
「残業時間が多い」という現象。
「人為的なミスが発生している」という現象。
目先の現象を押さえ込もうとしても対処療法にしかならず、解決にはほど遠い。
それぞれの現象をひきおきしているのは何なのか。
それこそが、「真の問題」、つまり解決すべき根本的な問題点ではないだろうか。
残業時間が多くなるのは、仕事の絶対量が多すぎるのか、難易度が高すぎるのか、人員不足か、人員のスキル不足か、各々のモチベーションが低いのか、給与の低さを残業代で補おうという前近代的な文化が残っているのか・・・。
真の問題点を探るために、その原因を横に展開してみれば上記のようになるだろう。
人為的なミスがなくならないのは、マニュアルが作成されていないからか?
マニュアルがあるとすれば、なぜ、マニュアルが見られていないのか?
マニュアルが見られているとすれば、マニュアルが分かりにくいのか?
マニュアルがわかりやすく書かれているなら、マニュアルの内容が適切ではないのか?・・・・。
こちらは原因を縦に掘り下げた展開とでもいおうか。
上記のように、「現象と問題の取り違え」をして、真の問題点を論じていない例は多い。
それは難しいロジカルシンキングのフレームワーク以前に考えるべきコトなのだ。
難しいフレームワークではなく、それが果たして「問題」なのかを考える、カンタンなチェックポイントを紹介しよう。
いや、誰でも知っている「5W1H」でしかないのだが。
・What?:何が問題なのか?
・Why?:なぜそれが問題なのか?
・Where?:どこで起きている問題なのか?
まずは、この3つの掘り下げをしてみるといい。
解決を考える部分も続けていこう。
・Who?:誰が解決すべきなのか?
・When?:いつ、もしくはいつまでに解決するのか?
・How?:どうやって解決するのか?
この3つがセットになっている必要がある。
「当たり前じゃん!」という声もあろう。
しかし、問題と現象を取り違えていると、この5W1Hがうまく構成できなくなるのだ。そんなときは、「問題」として捕らえているものを、もう一度見直してみるといいだろう。
読者の質問の意図が上記で解決するのかわからないが、何んらかのヒントになれば幸いである。
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2009.10.27
2008.09.26
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。