昔から慣れ親しまれてきたサクマ製菓の“いちごみるく飴”。 「サクサクおいしい」「コリコリ食べれちゃう」という斬新なフレーズで当時から消費者から絶対的な支持を得ている。 ここまでの長期間にわたって人気を保っている秘訣とはどこにあるのだろうか? そして、今後の戦略はどのようなものなのだろうか? 今回はサクマ製菓“いちごみるく飴”の裏側に迫る。
まぁるくって、ちっちゃくて、さんかくだ!? サクマのいちごみ~るく♪
カリッ、コリッとつい食べたくなってしまう飴。季節になると、たくさんのいちご商品がコンビニの棚に陳列されるが、その中で最も古い定番商品。今回、我々がターゲットとしたロングセラー商品は、サクマの「いちごみるく」だ!
従来のアメは、口の中にアメを入れて、舐める。そしてゆっくりと口の中で溶けていくものであった。しかし、「サクサクおいしい」「コリコリ食べれちゃう」という当時では斬新なフレーズでアメ市場に乗り込んだサクマの「いちごみるく」。日本国中のアメファンから絶大な人気を誇っている理由は果たしてなんだろうか?
■ いちごみるくの誕生
1970年、まだ甘いものが成熟していない時代。サクマの「いちごみるく」が誕生した。
1964年、自社でチョコ入りアメ「チャオ」を開発。この商品のヒットにより、「飴+α」のコンセプトに手ごたえを感じたと当時の開発担当者は語る。そして、当時アメリカから入ってくるガムをヒントに、食感を意識した「噛む飴」というこれまでアメを開発していたどこの企業にもなかったコンセプトで開発された。
■ 他にはないポジションで、人気上昇!
当初は、他にはない「噛む飴」という新しいコンセプトということもあり、すぐには駄菓子屋に受け入れてもらえず、地道に駄菓子屋を開拓していった。「カリ・コリ飴」「噛む飴」という新しいコンセプトをPOPや商品パンフレットで打ち出し、斬新なパッケージが消費者の目を引き、除々に市場に浸透していった。
こうした成果が実を結び、提供番組の日テレの子ども番組「とんだりはねたり」(月~金放送)内で採用されることになった。この番組で子どもにおやつを渡すシーンで繰り返し「いちごみるく」が露出されるようになり、子ども向けのアメとして一気に消費者の認知度が高まり、人気を博した。
このTV効果により、急速に人気が高まる一方で、販路としての街のお菓子屋の数が減少しはじめたのは、TV効果を契機に一気に市場を拡大したいと考えていたサクマ製菓にとっては、大きな課題であった。
そこで、当時アメリカから到来して急拡大していたスーパー及びGMSに目をつけた。TV効果もあり、人気もあった「いちごみるく」は、うまくチャネルシフトに成功し、スーパーやGMSに大量に卸すことが可能となった。このチャネルシフトに期に「いちごみるく」は、まさに時流にのった商品となり、現在の地位を不動のものとした。
次のページ■ 利用者層を拡大させ、更に成長
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