私たち一般人も転職や何かの新しい組織・グループに加わる機会はあります。そんな時、どのように自分の印象を残していくか、戦略を考えますか? テレビやマスコミに出る芸能人も同じくアピール戦略を持っている、はずですが・・・
テレビ局製作主導映画が快進撃のようです。おっぱいバレーの綾瀬はるかさんやルーキーズの佐藤隆太さんがテレビに出ない時間がない、正にメディアジャックが展開されました。この例を通じてコミュニケーションのアピールを考えましょう。
個人的に綾瀬はるかさんのホタルノヒカリが好きだったので、おっぱいバレーの怒涛のプロモーション当初、「おお、はるかタンが毎日見られて楽しいのー」と思っていました。しかしその後の全番組制覇的な、じゅうたん爆撃プロモーションが続き、はるかタンには恨みは無いが、映画見たくない、という気になってしまいました。
続いて今はルーキーズです。野球チームのいけめん軍団がこれまた全番組に出ての焦土作戦。
これって言ってみれば店の陳列につけるPOP広告、「特価!半額!」みたいなもので、刺激が強い分到達力、アピール力があります。しかし店中がこうしたPOPで埋まったらどうでしょう?最初の一回目は「すげー、全店特売の店!」ということで話題になるし、お客にとっても価値のあるプロモーションになります。
しかし刺激は必ず鈍化します。お客が慣れてしまうことで、その当初の爆発力は漸減するのです。
エド・はるみさんという芸能人がおりました。2008年に彗星のごとく現れ、24時間マラソンで芸能人としての絶頂を向かえ、2008年と共に去っていった、ような、ものです。その少し前、一発屋で時代の寵児となった児島よしおさんの方が、まだ現在のテレビでは出演量は多いようにすら見えます。
リーマンショックのように、昨今の経済活動はレバレッジを利かせて、「カサにかかる」ことでその効果を極大化させることが多くあります。「FXで主婦が年収1億円!」みたいなセールストークは、かつてはただのサギ商法としか思われなかったでしょうが、理論上、あくまで理論上ではありますが、「あり得る」仕組みが出来、そういったところに投機資金が集まれば、りっぱなビジネスになったのです。
エドはるみさんの異常な露出ぶりは、見ていて痛々しく、ハラハラするものでした。何か彼女の後ろには得体の知れない芸能の悪魔がかぶさっているようで、「後ろ~!後ろ!」と声かけたいくらいでした。
そして見事、エドさんは消費されてしまったのでした。
小島さんが途中から、露出より存続に戦略変更したのと好対照でしょう。スベリ芸含め、バラエティ全盛の今は、トークやひな壇での受け答えが成り立てば、存在場所はまだまだあります。それが出来なかったエドさんはドラマや非お笑いバラエティにしか、存在を得るのは難しいでしょう。
昔、バブル時代のフジテレビが得意だったメディアジャック手法で、使い潰されていくのでは?とハラハラしてしまう昨今のテレビ局映画の宣伝手法。
結果映画が売れればテレビ局はオッケーです。しかし芸能人の方々は、それが自身の存在を使い潰すことになる危険をどこまで考えているのでしょう。
ビートたけしさんは、昔、「毎回おもしろく無くて良いんだ」という名言を残されました。「毎回おもしろいとかおもうなよ」とのことです。これが30年に渡ってテレビの第一線を張って来られた人の刺激操作法の真髄ではないでしょうか。
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2009.10.27
2008.09.26
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。