あの!スーザン・ボイルさん、残念ながら優勝できませんでした。「ナンバー2」という立場をどう捉えるべきでしょうか。内外でナンバー2の人たちが活躍しています。 戦略という観点からも、ここには「ナンバー2」ポジショニングのメカニズムがあります。
イギリスのマイナーなテレビ・ITV(すまんすまん、現地時代あんまり見てませんでした。だってロンドンの4つのチャンネルは皆地味なんだもの)のオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」での、衝撃的予選映像がユーチューブで世界的に配信され一躍世界的有名人になった、元普通のオバサン、スーザン・ボイルさんですが、残念ながらその決勝戦では2位になったいう報道が、(大英帝国から見た)この地の果て日本のニュース番組でまで報道されました。
優勝したダイバーシティというダンスグループの良さはともかく、ここまでの知名度&注目度となると、もはや優勝しかあり得ないだろうという、異様な雰囲気。しかしどうやらその決勝時の歌は、映像を見る限りだと声が裏返ったり、出来が今3つだったみたいです。
なので、いくら注目されてても優勝させないという、ITVの判断は、私は良かった、番組のクオリティと、イギリス人が好む表現をすればオーセンティシティが保てたと思います。そこに行くと日本のオーディションと称するものは、プロダクションの政治力なのか何か、訳わからない判断基準で結果が出たりします。プロボクシングですら、亀田家・天国と地獄のような展開は、その不透明な判定にあったといえます。
そこに行くとプロレスは良いですよ。だってレフリーのジョー樋口さん、反則してても気絶してるから見てないもの。ミスター高橋もストロングマシーン3号と4号が入れ替わってるの見てないし、こうした「うっかり」が堂々許されるのはプロレスだけ。遠藤光男も・・・(もう良いですか?)
ともかく、この「ボイルさん2位」という結果は、見事な大岡裁き、みんなハッピーになったのではないでしょうか。
テレビ局はその権威を保持出来、番組の評価が上がるでしょう。
優勝したグループは、それこそこれをきっかけにITVから世界的な注目を、一応は浴びることになります。(それが継続するかは不明)
そしてボイルさん本人。亀田家の例を出すまでもなく、日本に限らず人間には「嫉妬心」という魔物が本能的に憑いています。このまま優勝まで行ったとしたら、今度はカメ一家のようなバッシングが来かねません。ピークに達した瞬間から中傷へのGOサインが出ます。その叩きっぷりは容姿や年齢など、恐らく酷いものになると思われます。しかし優勝できなかった、という事実は「頂点」でない、ということから、ピークアウト感が出にくいのです。
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2009.10.27
2008.09.26
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。