前回は「見える化」の正しいやり方のポイントについて「計るだけダイエット」を例にとり説明しました。 今回は特に企業における全社コスト削減活動や業務改革における「見える化」の正しいやり方について述べます。
前回は「見える化」の正しいやり方のポイントについて
「計るだけダイエット」を例にとり説明しました。
「見える化」のポイントは
1.比較する
2.意識する
3.管理する の三点です。
今回は特に企業における全社コスト削減活動や業務改革における
「見える化」の正しいやり方について述べたいと思います。
昨今の経済不況下、多くの企業が「全社コスト削減」に取り組んでいます。
多くの企業の場合、コスト削減は「人件費」「原材料費」「経費」の
3つに分けてターゲットを設定し取り組んでいます。
このような局面では所謂クイックヒットではないのですが
短期間で如何に収益を出していくかということが求められます。
短期間で収益を稼ぐ=短期間でコスト削減を行うことを考えると
多くの企業で「経費」削減が注目されます。
何故なら「人件費」「原材料費」は短期的な取り組みでは
コスト削減がなかなか難しいからです。
「経費」は固定費と思われがちですが、
短期的なコスト削減の取組みで一番効果的なのは「使わない」ことです。
「経費」は使わないことが可能な費用であり、
短期的なコスト削減に効果的であることから、
自然と「経費」削減に企業が目を向けるのです。
それでは「経費」のコスト削減のコツとは何でしょうか?
それが「見える化」なのです。
我々は多くの企業で全社のコスト削減活動を支援してきました。
その経験を踏まえて言うならば、
全社コスト削減活動で社員やサプライヤに無理や苦をしいる取組みは
上手くいかないということです。
全社コスト削減活動で成功している多くの事例は
「無駄な支出の排除」から始まり、
「交渉による契約の見直し」を並行して行い、
中長期的に「サプライヤ集約や切り替えを伴う契約見直し」という所謂
「ソーシング活動」を実施していきます。
短期的な効果を上げられた後は
「社内のBPRを含む全社的な業務の見直し」を行い
中長期に「ソーシング活動」や「業務改革」を続けていく。
というやり方が成功につながります。
このような取組みで初期のコスト削減に対する寄与度を考えると
概ね全体の6割程度は「無駄な支出の削減」によるものです。
また既存のサプライヤに対する「交渉による契約の見直し」を含めると
全体の8割程度の効果を占めます。
本来の購買・調達活動である「単価を下げる」「ソーシング活動」は
比較的時間がかかる作業であり、短期でコスト削減を実施するのであれば、
いかに「無駄な支出の削減」を行っていくかがポイントになります。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。