私たちが商品を購入するとき、 そのほとんどは「買い替え」ですよね。 食べればなくなってしまう食料品はさておき、 その他の商品(自動車、家電、日用品、衣料品など)は、 たまに「買い増し」もあるものの、自宅などの限られた スペースに収容しなければならないといった制約があるので、 多くの場合、古いものと「買い替え」ることになります。
したがって、人がモノを買い換える・買い換えないの
理由については、以下の2つの要因で考えることが有効でしょう。
1 内的要因
その商品を買いたいと思う、
消費者の内側から湧き上がってくる購入欲求のことです。
2 外的要因
その商品の買い替えにふさわしいタイミングや予算等、
消費者の欲求の外側にある外的状況のことです。
そして、言うまでもなく、
消費者が購買に踏み切る決断をしやすいのは、
上記2つの要因が共に揃った時ですね。
どちらか一方だけの要因だけだと、
なかなか購買に踏み切ることができません。
例えばもし、あなたの内的要因は揃っている、
すなわち
「ある商品をとても買いたい」
と思っていたとしても、外的要因が揃っていない時、
例えば、予算が足りない、現在の商品がまだ新しいと
いった状況の場合、なかなか買い替えできませんよね。
逆に、外的要因は揃っている、
すなわち、買い替えの予算も十分あり、
手持ちの商品はいいかげん古くて使いずらい状況に
なっていたとしても、そもそも欲しいモノがなければ、
「まだいいや、もうちょっと我慢しよう」
と待ちに入ってしまいがちです。
イトーヨーカードーが今年前半に何度か実施した
「衣料品等の現金下取りセール」
は「内的要因」たる「購買意欲」を刺激したのではなく
(購買意欲はそもそもある程度あった)、
「タンスが一杯だから・・・」
といった「外的要因」における障壁を除去することに
成功したからでしょう。
さて、嗜好品的な要素が強く、
かつ高額の耐久消費財である、
「自動車」
の場合はとりわけ、
内的要因、外的要因の両方を
考慮する必要性が高いと思われます。
なぜなら、欲しいと思える好きな車がなければ、
購買意欲はなかなか高まりませんし、
同時に、車検時期や保有年数といった外的要因も
購買に大きな影響を与えるからです。
上記のことを実感させる最新の調査結果があります。
これは、インターネット自動車販売仲介サービス会社、
「オートックワン」と日刊自動車新聞社が、2009年
5月1-11日の間に、オートックワンのメール会員、
およびWebサイト訪問者4016人から回収した、
「エコカー減税」
についてのアンケート調査です。
まず、
「エコカー減税制度を使って
環境に配慮したクルマを購入しますか?」
という設問に対しては、
「購入する・買い換える」
と回答した人は約1割(9.9%)にとどまっています。
そして、
「購入しない・買い替えない」が約6割(59.3%)
「迷っている」が約3割(30.8%)
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2010.07.05
2015.07.10
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。