人、組織、企業の幸福と成果を追い求めて30年が過ぎました。まず、イントロダクションとして現代の日本企業の景色から書き始めました。
ある大手企業の若手社員からこんなメールが届きました。
「組織は何のためにあるのでしょうか。大学の研究室では、2~3人がチームになって色々な活動をしてきました。互いに人間として信頼していたし、長々と話しをしなくても物事がどんどん進んだ。徹夜が続いても楽しかった。しかし、会社に入って無意味で退屈なミーティングが多いし、同じ課の他の人が何をしているか良く分からない。ちっとも楽しくない。こんな事なら独りで仕事したほうが良いと思う。・・・」
私は仕事柄、既に数千人の組織リーダーに会ってきました。そして常に質問してきました。
「何故、皆さんは組織で働くのですか?」
最も代表的な回答は「一人では作り出せない成果を生み出すため」。
更に質問は続きます「では、皆さんのチームで一人では作り出せない成果(シナジー)は生み出せていますか? 3名の組織なら1+1+1=3以上、さらに、5や10や100といったシナジーを生み出せていますか?」
驚くことに、80%以上のリーダーから
「3以下、いや一人は死んでいるから2以下かな・・・・」
といった回答が返ってきました。「死んでいる」とは、まったく成果に貢献していないという意味らしい。
これが、現実、これが実情なのです。
巷では、人材力強化、組織力強化、現場力強化・・・などの強化のために旧態依然のやり方論が連呼されています。しかし、何が変化したでしょうか。現場では、メンタルが崩壊する社員の対応や、すぐ辞めてしまう若手社員の引止めに四苦八苦しています。
出社してほとんどコミュニケーションをせずに帰宅する社員がいます。先輩や上司の疲弊している姿に失望し、転職を考える若手社員がいます。管理職になって以来、誰からも褒められたことの無い部長がいます。部下に興味の無い管理職がいます。
このような状況で成果を創出するための方法論を連呼し、誰も幸せにならない組織を私達は望んでいるのでしょうか。
とかく経営者は成果を求めますが、最高の経営利益が出ても社員の誰一人として喜びや遣り甲斐を感じることが出来ないとしたら、企業の存在価値や働く意義とは何でしょうか。
現在の社会現象を観れば分かるように、もっと人間の本質に根ざした対応が必要になっています。
そして、私達のような人材開発や組織開発に関るものの使命は「成長と生きがいを生み出し、成果と幸せが共存できる社会や企業組織の構築に貢献すること」だと考えています。
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2010.03.20
2015.12.13
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。