花王のネットコミュニティ‘GO GO pika★pika MAMA’

2009.09.17

営業・マーケティング

花王のネットコミュニティ‘GO GO pika★pika MAMA’

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

花王のWebサイト、 ‘GO GO pika★pika MAMA’ - ゴーゴー ピカ★ピカ ママ - は、2007年4月に開設された、 新米ママさん向けのネットコミュニティ。 (以下、「ピカママ」)

「ピカママ」は、大きくは、

・プレママコミュニティ(出産予定の女性対象)
・0歳コミュニティ
・1歳コミュニティ
・2歳以上コミュニティ

の4つに分かれています。

そして、0歳と1歳は、
さらに月別に細分化されています。

生まれたては、
驚くほど成長の早い赤ちゃん。

同月生まれの赤ちゃんを抱え、
ほぼ同じ悩みに直面するママさん同士で、
助け合える場が提供されているというわけです。

登録ユーザー数は、

16,000人(09年07月)

を突破しています。

さて、花王のWeb作成部長、石井龍夫氏によれば、
同社におけるサイトの主な役割は時と共に
変化してきています。

花王が初めてWebサイトを開設したのは94年。

それから10年ほどは、新聞・雑誌などと同様、
企業から消費者へ一方的に情報を伝える

「メディア」

としての役割がメインでした。

しかし、03年以降になると、
ブロードバンドが普及したこともあり、
消費者とのインタラクティブな
コミュニケーションが活発化。

サイトの役割は、
消費者の疑問・要望に応える

「コンシェルジュ」

的な役割が強くなっていきました。

そして、07年以降は、
‘mixi’などのSNSに代表される

「ソーシャルメディア」

が伸長、消費者間のコミュニケーションが
日常のものとなり、いわゆる「口コミ」の影響が
注目されるようになっていきます。

この動きに対応して開設された「ピカママ」は、
いわば

「ショールーム」

のようなものです。

商品を見るだけでなく、
ショールームを訪れた消費者同士が
交流する機会も提供できる場というわけです。

では、「ピカママ」の話に戻りましょう。

「ピカママ」では当初、
新米ママさん向けのコミュニティのみを提供し、

「花王製品について語れるコミュニティ」

はあえて作っていませんでした。

企業臭を出しすぎないように
控えめに振舞っていたのです。

しかし、登録ユーザーの方から、

なぜ花王製品のコミュニティがないのか

という要望が寄せられたため開設したのが、

・柔軟仕上げ剤
・お尻フキ

などの製品について語るコミュニティです。

花王では、こうした製品コミュニティでの発言を
分析することにより、多くの知見を得ています。

まず、コミュニティを通じて、
花王製品のブランドサイトに行くユーザーが
確実に増えることが確認されています。

要するに、製品情報を提供しているサイトへの
集客効果があるというわけですね。

柔軟仕上げ剤のコミュニティについては、
参加したユーザーのうち、実際に発言した人が
なんと66%に上りました。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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