ネットブックといわれる低価格ノートPCのシェア上昇が止まらない。パソコン市場はこの先どこへ行くというのだろうか。
日本のネットブック市場に顕著な変化が現れた。かつてはASUS、エイサーといった台湾勢の牙城であったネットブック市場に東芝が割って入り、16.7%のトップシェアを奪取した。個別の機種別でも、東芝 DynaBook(PAUX23JNL)が12.6%、 ソニーVAIO-W(VPCW119XJ)が6.7%、富士通LOOX-M(FMVLMD15)が6.4%と上位を独占している。(デジタル生活応援サイトBCNランキングより)
日本勢の転機は2009年4月の夏モデル発表時からだ。上記のランキング上位の機種を見てもDynaBook、VAIO、LOOXと各社の第一ブランドの名前が並んでいる。他にもNECのLaVie、シャープのMebiusなどの名前が並んでいる。それまで各社は、低価格なネットブックに第一ブランドの名前を冠すると、通常のノートPCが売れなくなるという理由から、独自の名前を付けていた。しかし、低価格化の波、ネットブックの台頭は顕著であり、もはや高価なPCだけに依存することは叶わないと見て、パンドラの箱を開けたのであった。
世界的にもその流れは顕著だ。米ディスプレイサーチの調べでは、2009年第2四半期において、売上げが前年比で上昇しているのはネットブックだけであり、そのシェアはポータブルPCカテゴリの11.7%であると報じていた。しかし、平均価格は-29%と大きく下落している。価格が下落しながらもシェアの上場は続くと見られており、2010年末には21.5%に上ると見られている。(デジタル家電情報総合サイト・Digital Freakより)
1965年生まれの筆者にとって、これはかつて見た風景と重なる。
1964年、東京オリンピックの年が日本の電卓元年といわれている。シャープ(早川電機)がオールトランジスタ式の電卓 CS-10Aを発売。価格は535,000円で当時の車1台分ぐらいだという。1966年には日本計算器販売がBusicom 161を発売、価格は298,000円。 電卓市場に価格破壊の第1波をもたらした。1969年、シャープが世界初のLSI電卓「QT-8D」を99,800円で発売。10万円を切り、爆発的なヒットとなる。1971年、立石電機(現オムロン)が5万円を下回る電卓を発売し「オムロンショック」を起こす。1972年カシオ カシオミニ発売。12,800円。 電卓の価格破壊は進み、1975年には5,000円を下回るようになった。(出典:Wikipedia)
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。