「コンサルタント」として欠かせない資質は3つあります。 1.やりぬく力 2.あるべき姿の構想力 3.木も見て森も見る力
最近、毎週のように研修、セミナーでの講演が続いています。
なるべくわかりやすく出席者の方に理解をしてもらえるように
聞いている方の立場にたって話をしているつもりなのですし、
同じテーマの研修であってもその時点その時点で
最新の情報や新しい手法などを盛り込むことを心がけています。
とはいうもののアジルの社員からもよく指摘されるのですが、
横文字が多かったり、聞き取りにくかったり、
同じ土俵で語っていなかったり、と反省する点も多々あります。
正直私自身、元来話が上手い方ではないと思っています。
考えてみたら何故私が話をする立場なのか、というと要するに
「調達コンサルタント」という仕事についているからなのでしょう。
私は「会社経営者」でもありますが、
その前に「コンサルタント」として人格?が形成されているようで、
それは自ら認識せざるを得ない部分でもあります。
今回は「調達コンサルタント」としてメルマガを書きたいと思います。
私は「コンサルタント」として欠かせない資質は3つあると思っています。
知識や経験、ノウハウ、手法などではなくここで資質と表現したのは、
個人の「信条」であり「信念」であり、
多くの場合、知識や経験などのハードなスキルは「資質」があれば
後から身につけることが可能だとも思っています。
これは以下の3つの力です。
1.やりぬく力
2.あるべき姿の構想力
3.木も見て森も見る力
『やりぬく力』とはどんな仕事でも同じとは思いますが、
こだわりを持って顧客のためにやり遂げる力です。
その力の源になるのは
「この会社のために・・」「この人にために・・」という気持ちです。
そういう気持ちが強くないとつらくて時間の拘束も長い
「コンサルタント」の仕事は務まりません。
「なぜこんな辛い思いをしてまで仕事をしているのか?」
「同じお金を稼ぐのであれば楽して働きたい」という思いの人には
「やりぬく力」はありません。
「この会社のため、この人のため」決めたこと、やった方がいいこと、を
お節介のようにやっていく、誰かからやってくれ、と言われた訳でもないのに。。
これが『やりぬく力』です。
二点目の『あるべき姿の構想力』ですが、
これもコンサルタントとして重要不可欠な資質だと思います。
しかしこの力は資質だけではなく、経験や勘も必要になってきます。
以前BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)という
米国の業務改革手法が日本に広まった時に
「Tobe(あるべき姿)」アプローチという手法が主流になりました。
この当時はベストプラクティスといって
様々な企業の先進的な業務の進め方を取り入れて
「あるべき姿」を実現しようという手法が中心でしたが、
私はこういうコンサルタントを「Tobeコンサルタント」と言って
「Tobeコンサルには絶対になるな!」と社員にも言っています。
企業は様々です。
文化、業務の進め方、人(数、質)、体制、経営、、様々な企業に対して、
実現不可能なTobe(あるべき姿)を求めても全く意味はありません。
これはコンサルタントとして共通する話だとは思いますが、
特に調達・購買業務では企業間でレベルの差が大きいこともあり、
特に調達コンサルタントにあてはまることなのだと思います。
つまり私がここで言っている『あるべき姿の構想力』とは
その顧客企業にとって目指すべき『あるべき姿』を考える力なのです。
目指すべき『あるべき姿』とは実現可能な『あるべき姿』であり、
その状態を現状の経営資源を鑑みながら考える力が『構想力』なのです。
実はこの点は顧客側もあまり理解できていないことも多くあります。
これは数年前のTobeアプローチの弊害とも言えるでしょう。
最後の『木を見て森も見る力』これも重要ですが、
なかなか一朝一夕には身に付かない資質です。
現場に入り込めば入り込むほど「森(全体像)」を見失ないがちです。
コンサルタントはそもそも第三者として現場に入るのですから、
「森(全体像)」が見えていなければなりません。
一方でやはり現場におちている処々の課題(木)に対しても
常にセンサーを働かせていなければなりません。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。