2009.10.27
映画でみる「ブラック企業」 (第1回)ブラック会社の特徴って?
新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役
「ブラック企業」というコトバ、今はもう説明不要でしょうか。 仕事がハードすぎる割に給与も低く、ワンマン社長からコキ使われるような「報われない会社」のことですね。 今秋公開の映画を透かして、ブラック企業のリアルを分析していきます。
「ブラック企業」というコトバ、今はもう説明不要でしょうか。 仕事がハードすぎる割に給与も低く、ワンマン社長からコキ使われるような「報われない会社」のことですね。
2008年以降、この「ブラック企業」をテーマとした書籍が相次ぎ発表されてきましたが、このコトバがメジャーになるきっかけとなったのは、「2ちゃんねる」のスレッド「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」が単行本化されたことでしょう。 その後文庫本になったときは「意外とメジャーになってきたな」と思っていたものですが、今秋映画化されることになると聞いたときはさすがに驚きました。 しかも、「主人公のニート役が小池徹平」と聞いてまたびっくり。 そんなアンダーグラウンド的な、それも労働問題を扱ったものが映画というエンタテインメントになるのか?と。
私自身、ブラック企業の専門家として「ブラック企業アナリスト」を名乗っていますので、このムーブメントにのらないわけにはいきません。 先日、当該映画の配給会社さんから試写会に呼ばれて一足先に観てきましたので、映画の内容とリンクさせながら「現在のブラック企業のリアル」について述べていきたいと思います。 こんな感じのテーマを想定しています。
~映画でみる「ブラック企業」~
第1回:ブラック企業の特徴って?
第2回:仕事での限界を超える方法
第3回:ニートからの脱却方法
第4回:IT業界のリアル
第5回:社内出世術
今回は初回ですので、まずは「ブラック企業の特徴」について。
【ブラック企業 5つの特徴】
①労働時間
「ハードワーク=ブラック」という見かたが根強いですが、残業が多いくらいの会社はいまどき普通です。 映画の中でも、「クライアントからとんでもない納期を飲まされて、みんなで死にそうになりながら仕事をこなす」という場面が出てきましたが、たしかにそうでもして価値を創造しないと、もっと価値を出している会社に負けてしまいますからね。 多少の残業があったとしても、それをきちんと評価して、何とか報いようとしている会社であれば、よしとすべきでしょう。
逆に、このような意識もなく、「社員は金をもらってるんだから働け!」と普通に言ってしまうような会社は要注意です。 社員に報いる姿勢がなく、コマのように扱っている会社はブラックといってしまってよいでしょう。 そのほかにも、「成果ではなく労働時間の長さで評価が決まるような会社」、「休日出勤を強制する会社」なども、社員の存在価値をないがしろにしているという点で同罪。 作品中でも上司が「定時ってのは都市伝説なんだよ!」などとうそぶいてましたが、こんな一言にブラック企業のスタンスが反映してますよね。
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新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役
キャリア教育プロデューサー ブラック企業アナリスト 大学講師 HRMストラテジーコンサルタント JCDA認定キャリアデベロップメントアドバイザー 日本キャリア開発協会、東京商工会議所会員 早稲田大学卒業後、東証一部上場企業で経営企画、事業企画を経験。 その後人材サービス大手企業にてコンサルタントおよび人事採用担当等を歴任。 現在は人事戦略とキャリア教育に関するコンサルティング会社を2社経営。