マーケティングの世界で「ペルソナ」とは、 「企業が提供する製品・サービスにとって 最も重要で象徴的な顧客モデル」 のことを意味するのでした。
ここで、「顧客モデル」とは、
「ターゲットユーザー像」
を具体的、詳細に説明(記述)したもの。
この「顧客モデル」ですが、「一般消費者」だけでなく、
「法人ユーザー」
についても応用可能です。
すなわち、「ペルソナ」は、
[BtoB](対法人ビジネス)
にも使えるというわけですね。
日経情報ストラテジー最新号(OCTOBER 2007)の特集
「ペルソナ」マーケティング
には、大和ハウス工業の「BtoC事例」だけでなく、
なかなか興味深い「BtoB事例」も掲載されていますので、
こちらも簡単にご紹介しておきます。
業務用エアコン市場でシェア3位の
「日立アプライアンス」
は、直接の販売対象ではない
「設備店の経営者」(要するに、設備工事のオヤジさん)
のペルソナを作成しました。
同社の直接の販売対象は、
「特約店」
です。
いわゆる「卸」的存在の「特約店」が、
中小規模の「設備店」に商品を流し、「設備店」が
事務所や店舗などのエンドユーザーに、
業務用エアコンを販売・設置するという
「多段階の流通構造」
になっているというわけです。
図的に示すとこうです。↓
[日立アプライアンス→特約店→設備店→エンドユーザー]
このため、日立アプライアンスでは、
直接接点のない設備店向けに、新製品情報を中心とした
情報提供を行うにあたり、次のような点をなかなか把握
できずに困っていました。
・設備店は、日々どのような課題を抱えているのか
・特約店や設備店にどのような情報を提供すれば、
同社製品のシェアアップにつながるのか
そこで、
「旭立(あさひだち)信彦」さん
というペルソナが生まれたのです。
このペルソナ作成を主導したのは、同社の
「リニューアル促進プロジェクト」
を担当した、
空調営業本部営業企画部空調宣伝グループ
の中畑真次氏です。
作成手順は次の通り。
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1.設備店1806社対象のアンケート調査を実施
回答率は6割程度。規模や取引内容など、
定量的な実態把握を行った
2.回答者の8割を占めた10人以下の設備店を
営業担当者とともに回り、インタビューを実施
「どういった人たちが、どのようなことを
考えて自分たちの製品を売ってくれているのか」
を詳細に聴き取ることを目的とした
3.インタビューで取得した定性的な情報を元に
「旭立(あさひだち)信彦」という顧客モデルを作成
次のページ「旭立さんはどういう情報が必要なのか」
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2007.09.07
2008.09.09
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。