企業は適性検査と称して性格検査を実施しているところが多くあります。なぜ企業が性格を知りたがるのでしょうか?性格の問題と捉えているような部分は実は別の検査を実施しなくてはならないのではないでしょうか。
●性格検査の実態
一般的に適性検査と呼ばれるものがあります。
新卒採用、中途採用などで入社のために検査をすることがあります。
多くの企業がこうした検査を使って人材の採用をしていますが、その検査内容は様々です。
人事関連で使う検査には、知的能力などを測るものもありますが、性格を測るものがあるといわれています。
なので、適性検査を性格検査と同一のものと捉えている人も多いようです。
実際に、性格を洗い出そうとしている検査があります。
性格というものの定義は難しいですが、一般的に性格は変わらないといわれています。
先天性のもので、気質のようなものに近いのかもしれません。
でも、その気質のようなものを測って一体どんな意味があるのでしょうか?
これはまるで、レントゲンを測って、
「キミは骨が曲がっているから病気になる可能性があるので不採用」
と言われているようなものです。
●企業が性格を知りたがるのはなぜか?
私の知人は、普段の仕事はとても明るくて前向きで社交的に見えますが、個人の趣味はとても暗く普段の彼からは想像もできません。
実際、仕事の場というのは「適性な人格」を作って仕事をしているので、その人の本来の気質とはあまり関係がありません。
仕事の環境においては、立場を演じその場の状況にどう対応できるかが重要ではないでしょうか。
たとえ暗い性格でも明るく振舞っていれば、皆は明るい人だと思うでしょう。
仕事上で「明るく振舞う必要」があり、それが無理なくできていれば、それで問題はないはずです。
しかし企業はそれだけではダメなようで、その奥に潜んでいる性格というものを掘り返し、本性?を見つけ出そうとします。
こうした性格検査を実施しなければならない企業には、それなりに理由があるようです。
まずは人事担当者が、「なんでこんなやつを採用したんだ?」と怒鳴られないためです。
そのために性格を丹念に調べ、できるだけ問題とならない人(想定外の行動を起こさない人)を採用しようとします。
ですから足切とも呼ばれ、問題となりそうな人をできるかぎり排除しようとします。
その問題とされることの1つが性格であり、性格の問題にするのが楽だからです。
また別の角度から見ると、企業コンプライアンスの点から「問題を起こさない社員を入社させない」ということなどのようです。
でも、考えてみてください。
「問題を起こすか起こさないか」は、性格を調べてわかるのでしょうか?
よく事件を起こした際に近所の人にインタビューされているシーンがあります。
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2009.11.30
2010.08.26