「こだわり」の発信

2010.01.04

経営・マネジメント

「こだわり」の発信

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

長引く現在の景気低迷期においても、 着実に成長を果たしている企業に 共通点はあるのか? あるとしたらそれは何なのか? お正月、私は改めて この素朴な疑問を考えてみました。

共通点は確かにあると思います。

抽象的なレベルではありますが、
成長企業の共通点として挙げられるのは、
その企業ならではの

「明確なこだわり」

があることです。

端的にいってしまえば、

・ビジョン

が極めてクリアに定義されている
ということです。

ただし、掲げるビジョンは、

「1兆円企業になる」

といった利己的なものだけで終わらず、

「社会や人々にとっての幸せ」

のために当該企業がどのように
貢献できるかを示していることがポイント。
(そもそも、数値的な目標は「ビジョン」
 とは言えません)

そして、このビジョンを本気で
実現するために、とことんこだわっています。

そこで、成長企業を率いる経営者は、
自社のビジョンを単なるお題目に終わらせないため、
社外・社内に向けて繰り返し語り続けます。

つまり、自社が掲げるビジョンの実現に
コミットしていることを積極的に発信することで、
そうせざるをえない状況にあえて追い込んでいます。

例えば、私たち消費者は、

ユニクロ、無印良品、サイゼリヤ、オーケーストア

といった、
こだわりの発信に積極的な企業のビジョンを
頭(理性)で、あるいは肌感覚で理解していますよね。

また、彼らのビジョンに共感し、
一定の信頼を彼らに持っていますよね。

だからこそ、数ある競合製品の中から、
彼らの製品・サービスが優先的に選ばれるわけです。

逆に、こだわりがない(見えない)企業、
要するに、

・流行に乗っているだけ
・他社を真似しているだけ
・消費者にこびているだけ

の企業は、まぐれで成功することはあっても、
継続的な成長はありません。

なぜなら、こだわりがないので、
そもそも社内外に向けた発信ができませんし、

消費者の共感や信頼

が醸成されないからです。

企業としてはもちろん、

・トレンド・流行
・競合の動き
・消費者ニーズ

を常々把握することは不可欠ではありますが、
それ以前に、時代や消費者に左右されない

ぶれない軸=こだわり

が企業の存在基盤としてあり、
また、それを社内外に積極的に
発信し続けることが成長の必要条件なのです。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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