時価が分からないときの時価会計とは

2010.02.08

経営・マネジメント

時価が分からないときの時価会計とは

野口 由美子

IFRSでは時価会計が重視されているため、公正価値測定の適用場面が多くなります。それでは市場価格が存在せず公正価値が分からないときはどうするのでしょうか。

本サイトへの投稿記事は
aegifの国際会計基準専門ブログ IFRS of the day(http://aegif.typepad.jp/ifrs/)より引用しております。

国際会計基準では、

よく紹介されているように

時価会計、公正価値による測定を重要視します。

IFRS第9号に規定されている金融商品の測定では、

特定の要件を満たした金融資産は償却原価で測定することになりますが、

それ以外は公正価値で測定することになります。

また、

固定資産の会計処理では

日本基準にはない、再評価モデルが認められます。

再評価モデルを選択すると固定資産を取得原価で据えおかずに、

公正価値で再評価を行なうことになります。

非常に公正価値の適用場面は多いので、

公正価値についてはいろいろな基準書で別々に規定が定められてきましたが、

現在、公正価値測定ガイダンスの公開草案が公表されており、

どのように公正価値による測定を行なうのか、包括的なガイダンスが検討されています。

そこではどのように公正価値を測定するのか参照する情報や評価技法について決められるわけですが、

むしろ問題になるのは、

公正価値、時価が入手できない場合です。

公正価値測定ガイダンスの公開草案でマーケットデータなどが分からない場合でも

仮想市場を想定した価格を算定することを提案していますが、

具体的な方法については触れられておらず問題になっていました。

そこで、国際会計基準審議会(IASB)ではこの問題についてコメントを募集し、

日本公認会計士協会からも意見を出しています。

この中では、

日本の場合も市場の発達した国に比してマーケットデータの制約が大きいという問題が

実務上存在すると指摘しています。

個別に非上場株式と事業用資産の公正価値測定について具体的なガイダンスの必要性を述べています。

今後どのようなガイダンスが出されるか注目していきたいところです。

それにしても、

日本公認会計士協会が意見内で日本は市場の発達した国ではないと認めていることもありますが、

日本がIFRSの時価会計とつきあっていくというのは苦労が多いのかもしれません。

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