2025年にリニア中央新幹線が品川―名古屋間で開業する。それにより、社会構造の変化とともに、ワークスタイルやライフスタイルの多様化が可能となる。
2025年にリニア中央新幹線が品川―名古屋間で開業する。その所要時間わずか46分。かなり先になるが2045年には、名古屋―大阪間も開業する。そうなると現在、のぞみで138分かかっている品川―新大阪が71分短縮され、最速67分で結ばれる。どちらの所要時間も、JR東海が想定している南アルプスを貫通する直線ルート(438km)を通った場合である。
となると、途中駅が考えられている山梨や飯田(長野)は、品川からほんの20、30分で着く計算になる。これではうかうか居眠りもしていられない(笑)。まして、新幹線に乗ってとりあえずビールでも、なんて出来そうにない。
さて、山梨や飯田に駅ができると、その周辺は一気に東京通勤圏内になる可能性を秘めている。これは新幹線が出来て、静岡、那須塩原、軽井沢あたりが東京通勤圏内になった時と同じである。今や新幹線通勤者は珍しくない。
実際に、山梨県が首都圏と中京圏を対象にした経済・社会影響基礎調査結果によると、リニア新幹線が東京-名古屋間をわずか1時間で結ぶことが可能となることから、2地域居住に興味を示した人が29・5%に達した。
(2010.2.10 産経新聞)
この通勤事情以上に、大きな変化が訪れようとしているものがある。それは働き方そのものである。ほんの少し前までは、いい大学を卒業して大企業に定年まで勤め、リタイヤ後は好きなことをして暮らす、このようなことが疑いもなく日本の社会で理想とされていて、誰も信じて疑わなかった。だから皆、一企業の歯車となり必死に働いてきた。しかし今や、この価値観やビジネスそのものの仕組みが変わろうとしている。
創造的ビジネスとでも言おうか、弁護士、医者、会計士、コンサルタント、学者などの知的労働者(ナレッジワーカー)は、ライフスタイルの多様化やマーケティングの変化により、今後の社会において需要が高まるだろう。とういうのは、近年の情報量の増加には凄まじいものがあり、ITの進化がナレッジワーカーを増加させる。どこにいても情報を引き出せるのなら、都会も田舎も同じである。
勿論、いくら情報が多いとは言え、それを使いこなし、知識や知恵に変えなければ全く役立たない。そのために一番いいのが、人と会いコミュニケーションを取ることだ。リニアや新幹線なら例え遠方にいたとしても、わずか1時間ばかりで人の密集地に運んでくれる。生活は田舎、仕事は都会という新たな図式が成り立つ。
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2014.06.10
2016.01.15
株式会社経営教育研究所 代表取締役
教育ビジネスのアナリスト/コンサルタント。専門はフランチャイズ(FC)とデジタル関連。個別指導FCやベンチャーなどの教育機関を経て、2009年に民間教育シンクタンク経営教育研究所を設立。教育と異業種を結ぶエデュイノベーションLLPパートナー。