よく「バイヤーはどうやってサプライヤを探しているのか?」と聞かれます。 それに対する答えは「積極的には探していない」です。 探していない人達に対してどのようにコンタクトすればよいか?購買部門の歩き方について書きます。
先日ある地方の中堅中小企業の経営者の方たちや営業の方の前で話をする機会がありました。
私は仕事がら研修やセミナーで話をする機会が多いのですが、どちらかというと企業の購買部門の方に対して話をする機会が圧倒的に多いです。
今回はそういう意味で、売り手に対して「企業のモノの買い方」について話をするという貴重な機会でした。
題して「購買部門の歩き方」。
実は今回話をする時に、どのような話をすれば「売り手」が興味深く感じてくれるだろうか?「売り手」として当たり前と考えていることが「買い手」側の事情を考えるとそうでもないことだったりする。それが何か?ということをいろいろ考えました。
改めてそう考えると色々思いあたることがあります。
例えば、新規売込の時に良く「とりあえず見積してください」とよくバイヤーさんに言われると思います。
皆さん見積を出して、その後数カ月放たらかしになることが良くあると思います。(そういうことありませんか?)
何故か?多分あなたが出した見積は既存サプライヤの価格よりもちょっとだけ安いというケースなのです。
もし高ければ、「高いから採用できません」とバイヤーは言うでしょう。
もしちょっとだけ(例えば5%)安ければ、基本的にはバイヤーさんは積極的に切替をしようとは思いません。何故なら、基本的には切替したくないからです。
じゃあ10%安かったらどうするでしょうか?これはバイヤーさんによります。積極的なバイヤーさんで尚且つコスト削減の圧力が強い今のような時期であれば多分切替するでしょう。ただ、そうでなければ切替ないことも十分考えられます。
「十分安いのに何故?」って。多くの企業でサプライヤ選定はバイヤー個人に任されているからなのです。10%安くても、担当者がもしサプライヤを変えたくなければバイヤーは既存サプライヤとネゴをして10%近くコストを下げてしまいます。
このようにサプライヤ選定のプロセスが不透明なことが見積書の放ったらかしの原因になっているのです。
また、売込側からするとバイヤーとの接点を持つにはどうしたらよいか?ということも常に考えているでしょう。
よく「バイヤーはどうやってサプライヤを探しているのか?」と聞かれます。
それに対する答えは「積極的には探していない」です。むしろ、バイヤー担当者よりも開発購買担当者やサプライヤ開拓担当者のような人間がいる企業ではそういう人に如何にリーチできるかがポイントになります。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。