化粧品通販は不況でも強いぞ!

2010.03.08

営業・マーケティング

化粧品通販は不況でも強いぞ!

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

百貨店やスーパーなど、既存流通チャネルがかつてないほどの苦境を味わう中、衰えを知らない化粧品通販。市場規模は2,500億を突破し、とどまるところを知らない。

この不況下においても、化粧品通販業界は確実な伸びを示している。
2008年から2009年は、通販全体で106.3%の伸び、化粧品の店舗販売は1.4%の減少であることを考えれば、大きく伸ばしている。(株式会社富士経済発表資料による)
働く女性の増加やインターネットでの新しいサービスの登場という環境変化や巣ごもりなどの社会現象が大きく影響しているのは間違いないところだが、そうした環境やライフスタイルへの対応やネットテクノロジーの活用、緻密な顧客との関係構築など、マーケティング施策の成功によるところも大きい。

かつて、化粧品は対面販売でなければ売れないと言うメーカーが多く、カタログや折込チラシで売る商品はどちらかといえば怪しげな商品だとされた時代もあった。また、消費者と売り手側のトラブルが絶えず、訴訟や当局の介入にまで至るケースも少なくなかった。(現在でもダイエットや美白などのトラブルは絶えないが)

実際に2001年ごろの、コンサルティング業界各社の論調では、大半が先行きの困難さを示していた。
2001年といえば、通販業界でもEコマースがようやく市民権を得始めたころで、その可能性に大きな期待が寄せられていた。ただ全体のシェアは5%にも満たない状況であり、今後拡大していくには、幾多の課題を解決しなければならない、とされていた。具体的には、カタログ通販という一見アナログチックな手法の中で、インターネットマーケティングの真骨頂であるCRMを実践していくのは簡単ではなく、いかにIT投資によって、来るべきネット社会に対応するかというのが論調の多くだった。

それから約10年、化粧品通販業界は着実に成長を遂げてきた。特にインターネットにおけるマーケティングには早くから取り組んできた。
DHCはネット広告での扱い高がトップの1社に数えられたときもあったほどで、各社がネット広告への模索をしている段階で、すでにブランディングの確立をネット広告主体で組み立てていた。また、@コスメに代表される口コミサイトやドクターシーラボが成功例とされるCGM(顧客発信型マーケティング) への取り組みなど、いわゆるWeb2.0的なインタラクティブ性を持ったマーケティングをいち早く取り入れてきた。

かつてインターネットによる通販が生まれ始めたころ、ブリック&モルタルと呼ばれた店舗販売のスタイルに対し、店舗販売と無店舗販売を「クリック&モルタル」と呼び、ネット販売と店舗での販売をうまく両立させていくスタイルが提唱されたことがあった。
この古くて新しい概念を、実はもっとも活用しているひとつの業界もこの化粧品通販業界だ。対面販売としての良さはたくさんあり、商品によってはコンサルティング的なアプローチが必要な商品も少なくない。
そうした提案型商品は、お客様に実際に足を運んでもらい、ショッピングモールや専門店街での店舗を中心とする店舗で1対1の提案・販売を行う。
顧客への告知は、DBによって地域、ターゲットごとに案内され、顧客はリアル店舗のサービスとネット通販の利便性を好きなように選択できる。

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