やっと、組織の幸福論についての話題がメディアで取り上げられるようになってきました。しかし、まだまだ内容は表面的なものです。ですが、普遍的な幸福組織(生き甲斐や遣り甲斐を生み出す組織)の構築に向けた社会的認識が高まってきたことはとても素晴らしいことです。
一部の経営者やリーダーの中には、なぜか「幸福組織=仲良しクラブ」的なイメージが根強いように感じます。しかし、組織から求められる成果を生み出すハイパフォーマンスチームと幸福組織は本来イコールなのです。
幸福組織の創造は、単に1企業が競争優位性を強化するための方法論としてではなく、私達が属する社会を健全に維持するための緊急課題になっています。
私達が属する日本社会を組織と考えたとき、幸福組織の対極に以下のような状況があります。
●自殺者年間3万人
●無縁死年間3万2千人
●うつ病患者104万人
●ニート62万人(15歳~34歳)
これからお話しする組織ファシリテーターとは、幸福組織の創造できる組織リーダーを指します。狭義に考えれば企業組織やチームのマネジャーやリーダーを意味し、広義に考えれば家庭、学校、病院、あらゆるチーム、法人や社会そのものをリードしていく人材を意味します。
その意味ではほとんどすべての人が何らかの組織ファシリテーターの役割を担っていると言えるのではないでしょうか。
とは言え、今回は企業組織をイメージして話しを進めていきます。
次にファシリテーターについてですが、ファシリテーターも色々なタイプのファシリテーターが存在します。会議のファシリテーターや問題解決ファシリテーターなど目的に応じたファシリテーションを担う存在です。
私達が提唱する組織ファシリテーターの中心的なテーマは
「組織シナジーを生み出すためのファシリテーション」ということになります。
特に「組織シナジー」というキーワードに注目してください。私達がとても重要だと考えるキーワードです。私達は組織リーダーの優秀性を評価する時、この組織シナジーを生み出せているか否かを問います。
組織シナジーとは皆さまご承知のとおり3人のチームで「1+1+1」=3ではなく、4以上の付加価値を生み出すことです。
組織シナジーを生み出すことは、組織管理職の役割の重要な一つです。これは組織論の視点から言えば当然のことなのですが、現実に組織シナジーを生み出している組織は希少です。
では、組織の本質や意義とは何でしょうか。
「なぜ、組織が必要なのか?」 「なぜ、組織で働くのか?」
それは、一人では不可能な大きな力を生み出し、大きな仕事や目的を達成するためです。また、個々の多様性(より強み)を活かし、個の限界の壁を越えてチームとしての圧倒的なブレークスルーを生み出すことにあります。
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2010.03.20
2015.12.13
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事
富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。