ユーザーにとってのベネフィットの定義、その人が持つ価値観や嗜好、生活観からのアプローチを行うことで、その先のプロセスが見えてくる。
読者のかたへの直接的な回答というレベルにはないかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。
最近、地域コミュニティや地域ブログは非常に注目を集めています。消費者とサービス提供者がインタラクティブに、バーチャルでもリアルでもつながることができる、地域に根ざした情報サイトというのは、とても面白い試みだと思います。
さてターゲットの絞込みの話ですが、そもそもどのような情報をイメージされているのでしょうか。情報サイトを開設しようとされているということは、すでに何らかの情報コンテンツをかなりお持ち、あるいは手立てがあるということですよね。
であれば、そのお持ちの情報コンテンツに対し、ユーザーとしてどのようなベネフィットがあるかを整理する必要があると思います。
地域情報サイトということは、普段の生活や趣味に根ざしたものだと思いますので、活用シーンも含めて(たとえば、休日にパーティーをしようと思っているときに会場と食材を用意してくれる
10人ぐらいでスポーツを楽しみたくなったときに施設を手配してくれる、など。見当違いでしたらすいません)、利用者がどういったベネフィットを受けることができるかを思いつく限り出すことをお勧めします。(うまくいけば、それがそのままマーケティングコンセプトにつながります)
さらにベネフィットを定義することで、それにふさわしいコンテンツはどうするかといったプロセスにも発展します。ターゲットの選定よりもベネフィットの絞り込みをお勧めします。
もう一点、ターゲットの選定というのは、情報の出し側が選定してしまう場合、とかく、外形的なターゲティングになりがちです。(男性、40歳代、サラリーマン、主婦・・・など)
しかし、実際にサービスを行ってみると、想定する外形的なターゲットと実際のユーザーカテゴリーとかなり隔たりが出てしまうことがよくあります。
子供向けに出した商品が、実際にはOLを中心に売れたり、キャリア女性向けに出したサービスに主婦の人が押しかけたり、というのは頻繁に起こることです。
このあたりが上司の方が言う「ニーズを見てあとから絞りこむ」ということかもしれません。
ペルソナ的なアプローチに近くなるかもしれませんが、御社が一番サービスを提供したい人が持つ価値観や嗜好、こだわりの観点や生活観、そうしたユーザー像の内的な要素についてお考えになってはいかがでしょうか。
たとえば「趣味を大切にし、余暇を思い切り楽しむ人」に対する役立つ情報提供なのであれば、その人は男性だろうが学生だろうが、主婦だろうが関係ありません。
そしてサービスを提供するうちに、そこは地域性やインフラ、環境によって、ある程度の外形的なターゲティングが見えてくるでしょう。
どのような情報サービスを提供するにしても、万人に受けるサービスはありえませんので、要はターゲットの定義の仕方とそのプロセスが重要になるのだと思います。
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