「カナモリさんはコンシューマー向け(B to C=Business to consumer)のマーケティングが専門なんですか?」とよく聞かれる。実はそうではない。対企業向け(B to B=Business to Business)の生産財やITソリューションに関連するクライアント業務も結構手がけている。当Blogで記事として取り上げないのは、当然のことながらクライアント関連のことは書けないだけでなく、事例として解説しやすいB to Bの情報があまり流通していないことに起因する。
その意味からすると、貴重な記事がネット上に掲載されていた。
マッキンゼーのサイトにある<The basics of business-to-business sales success>という記事だ。
http://tinyurl.com/2fmjeez (記事全文閲覧には登録が必要)
さらに、上記記事を翻訳・解説してくれているBlogがある。
Web戦略コンサルタント・Takeshi ADACHI氏のBlog「Think CREATIVE」である。
http://www.thinkcreative.jp/blog/web/1180/
同氏が「成功するB2B営業のための原点回帰」と翻訳している上記記事の要点を引用させていただく。
<営業マンがお客様との関係作りを行う際に押さえておくべき「基本」>に関して注目のポイントはまず、<お客様は製品やサービス(の仕様よりも)が自社のビジネスにどういう効果をもたらすかを知りたがっている>という点。
当たり前といえば当たり前なのだが、この一文がB to BとB to Cの違いを端的に表している。つまり、消費者が購入の意思決定をする際には、まず、購入者自身が満足することが重要だ。また、購買行動は、ある時は衝動的に、もしくは日々の暮らしの中で習慣的に購入が行われることが多い。対してBtoBの場合は、その商品・サービスによって、何らか、収益の向上や生産性の向上、経費削減効果があるなど、企業の利益を目的として購入される。その前提で、<自社のビジネスにどういう効果をもたらすか>が明らかにされるのは、企業の購買担当者に取っては至極当然の要求なのである。なぜなら、その取引の内容によって、自身の業務評価にかかわる場合もあるため常に真剣であるからだ。購買は計画的かつ合理的な判断の下に購買が決定されるのが常である。それに応えることが基本だ。
さらに「関係作り」に必要な要素<営業マンは取り扱う製品やサービスだけでなく、競合他社との訴求点の違いまで熟知している必要がある>と、<購買決定を左右する「被営業体験」>とされている要件である、<サプライヤーをどう評価しているかをマッキンゼーが調査したところ、最も重要な要素は(価格ではなく)製品・サービス自体の特徴と、そして営業活動を通した印象であることを発見できた>という点に注目だ。その発見は、マッキンゼーが1,252社を対象にした調査から抽出されたファインディングスであるという。
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。