役職名より、プロジェクトマネージャは 管理役、プロジェクトリーダは 推進役といった役割が期待されます。が、現状は、役職名とこの役割実態との乖離があります。
■PMとPLの役割は?
プロジェクトマネージャ(PM)とプロジェクトリーダ(PL)。これら役職名からは、下記役割が連想されるでしょう。
> PM : プロジェクト管理役
> PL : プロジェクト推進役
また、別の観点からマネージャとリーダについて見比べてみましょう。
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リーダーシップは第一の創造である。マネジメントは第二の創造にかかわるものである。
マネジメントは手段に集中しており、どうすれば目標を達成できるかという質問に答えようとするものである。一方、リーダーシップは望む結果を定義しており、何を達成したいのかという質問に答えようとするものである。
※「7つの習慣(スティーブン・R・コヴィー)」における「第二の習慣」より引用
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簡単に言うと、リーダが方向性を決めて、マネージャがそれを実現支援していくという事になるのでしょうか。どちらも崇高な役割があって、もちろん 一概にどちらのレベルが上か下かなんてのは付けられませんね。
■PMとPLは、優劣の差!
現状、PLからPMへのキャリアパス。プロジェクト要員の作業単価も PM>PL。
プロジェクト体制においても、プロジェクト全体のトップに立つ人をPM、その配下にいくつかのチームに分かれて 各チームのトップに立つ人をPLと呼ぶのが一般的慣習かと思います。わかりやすくいうと、PMは全体のトップ、PLは部分のトップという事になります。
また、前述しましたが、マネージャは、リーダよりレベル的に勝っているとは言えません。
こういった事を鑑みると、PMとPLは、管理と推進の差ではなく、優劣の差に見えてきますね。
■役職名と実態が乖離!
読者の皆さんにも、過去の経験を元に”できるPM像“について振り返ってみて頂きたいと思います。
管理業務ばかりやっているPMに良いイメージは無いですよね。むしろ、難しい問題/局面でチームの先頭に立って問題を解決したり/方向性を指し示したりといった推進業務に優れたPMに良いイメージを持たれているのではないでしょうか。
プロジェクトメンバ全体の先頭に立つPMが 管理業務ばかり注力していては、プロジェクトは上手くいきません。PMは、先ず 推進役を担い、次に 管理役の顔を持つべきと考えます。
ちょっと話は逸れますが、PM資格として“PMBOK”がありますね。”プロジェクト管理“に特化した内容になっているかと思います。これは、PMにとっての有効性観点から、「実践的ではない!」等 批判的な意見が多いですよね。この批判の要因は、PMという役職が管理を主としない すなわち 役職名と実態が乖離している表れではないかと考えます。
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2009.02.10
2015.01.26
エフィジェント株式会社 代表取締役コンサルタント
慶應義塾大学 環境情報学部卒。IBM/サン・マイクロシステムズ/PwCコンサルティング社にて、いずれもコンサルタント職として計10年在籍。 その後、エフィジェント社を創業し、代表コンサルタントとして、システムコンサルティング、システム開発活動に従事。専門システムは、デジタルサイネージ/EC/業務システム。