「国際化」って聞くと、ともすると外国に出ていくことだったり、欧米流の考え方になることをイメージしてしまいますが、もっと日常にダイレクトに影響してくる「内なる国際化」もあるんです。 舞台は、新宿区大久保。悩みを抱える主人公の小学生とは…?
2010年5月15日付日経新聞によると、新宿区立大久保小学校では、児童の半数以上が外国にルーツを持つ子供とのことです。
「国際化」なんて聞くと、ついつい日本から海外に出ていくことを想定してしまいますが、現実としては日本に外国の人が入ってくる、「内なる国際化」の方がより多くの人にインパクトがあるんでしょうね。気がついたら、お隣さんは外国人、みたいな。
となると、いかに異なる文化の人と共生・協働できるかというスキルはますます重要度UP。
そのヒントを大久保小学校に求めるならば、
・「大久保つつじを広める活動」で目的を一にした活動を行い、地域の一員としての自覚を持たせる
・日本語教育を充実させる
教育の過程で、異文化共生的な題材を選ぶことにより、一石二鳥を狙う (「おこんじょうるり」)
・母語維持と母文化を尊重にも力を入れる
とくに、三点目の「母文化の尊重」は非常に興味深いですね。自分の文化が否定されると感じると、拠り所を失って精神的に不安定になるみたい…
となると、実はこれから日本企業が直面する問題の相似形と言っても良いでしょう。高齢化で労働力人口が減っていくことを考えると、外国人の登用はますます多くなっていくことは想定されます。
たとえば、ユニクロでは、新卒採用の3分の2を外国人にするとの報道があり、これはまさに内なる国際化。
人材マネジメントの苦労がしのばれ、ひょっとして、人事担当者が大久保小学校を見学にいくなんてこともありえるかもしれません。
でも、一方で苦労するだけの価値はあるかも。
国際化とは、とりもなおさず「異なる価値観の人と協働し成果をあげる」ことであり、日本人だって世代間・性別間のギャップがあるわけで、そんなダイバーシティに富んだ人材をいかに登用し、成果をあげてもらえるかの良い準備になるはずですから。
関連記事
2010.03.20
2015.12.13