『週刊ダイヤモンド』(2010.9.18号)に「面倒見のいい大学」として取り上げられた聖学院大学。 一大学の事例、として脇においやることなかれ。 企業人も学ぶこと、たくさんある大学の姿勢です。
聖学院大学。
http://www.seigakuin.jp/index.htm
ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますが、今、様々な大学や教育業界から注目を集めている大学なんです。
キャッチコピーとして、リメディアル教育(入学前準備教育)を始めた頃と同じ時期に使い始め、継続しているのは
「面倒見のよい大学。入って伸びる大学。」
とくに「入って伸びる」という表現を使い続けているところが唸ります。
キャッチとして“使い続ける”肝のすわり方もさることながら、「入って伸びる」というキャッチを使い続ける以上は、大学内の教育姿勢にもそれを求め続けなければいけない、という、非常に自らに厳しい姿勢を課している(結果として学内スタッフ教育にもつながる)からです。
聖学院大学の「覚悟」をとくに強く感じるのは、次の2点です。
◆リメディアル教育(入学前準備教育)への覚悟
上に少し触れましたが、聖学院大学ではリメディアル教育の一環として、入学前準備教育を本格的に行っています。
『週刊ダイヤモンド』2010.9.18号より引用します。
==(引用開始)==
使うテキストの内容は、大学生になるための補習授業から描くイメージとはそうとう違う。
たとえば、数学は中学で習う、1次関数のグラフを書かせる問題が並んでいる。英語は、読み上げられる短文の英単語を書き取るレベルのものまである。英文を書き取る場合でも、綴りがわからなければ、カタカナで書いてもよい。小論文(国語)には、注意点として句読点の使い方や改行の仕方まで記されている。
こんな初歩的なレベルでよいのかとも思うが、山下研一広報企画部長はその狙いを、「基礎学力をつけることも大事だが、それより大事なのは学習習慣を身につけ、わかる喜びを体験し自信をつけること」だと説明する。
教え導き、学習習慣をつけさせ、理解することで本人がさらに学習し、伸びる、というわけだ。「伸ばす」ではなく「伸びる」となっているのがミソだ。
==(引用終了)==
教える側に立つ人間は、とかく「(その年次にしては)低いレベルの学習内容」を教えることに抵抗を覚えるものです。
抵抗にもいろいろあり…
1つは、教える側が「そんなことまで教えるべきではない」と決め付けているパターン。
もう1つは「それを教えなければいけない、としたならば、最後(大学の場合は「卒業」)に望まれる学力レベルまでとても達しない」という自信の無さからくる抵抗。
あと、「これを教えていると保護者に知られたらなんと言われるか」という体面もあるかもしれません。
次のページ◆就職を保証しよう、という覚悟
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