インターネット利用者調査に見る注目すべき結果とは

2010.11.01

営業・マーケティング

インターネット利用者調査に見る注目すべき結果とは

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

「インターネットの利用実態」についての調査結果が発表された。この3年間にネットをめぐる環境は大きく変化した。果たして実態では、どのような変化があったのだろうか。現実を把握するのにいい機会となった。

財団法人経済広報センターから「インターネットの利用実態」についての調査結果が発表された。前回は2007年の調査だったようで、この3年間にどのように変化したかがその調査の柱だ。
「わが国のメディアをめぐる情勢は大きく変化し・・・」と前書きにもあるように、この3年間にツイッター、Facebook、ケータイSNSをはじめとして大きな変化があった。
そうした環境変化において、実態がどのように変化したかを調査しており、現実を把握するのにいい機会となった。

「大きく変化し・・・」と謳ったわりに肩透かしをくらった格好になったのが、「大きな変化はなく」という全体傾向だ。周囲が「変化だ」と叫んでいる割には、利用者に関していうとさほどでもないらしい。同じ前書きには、「2007年3月の前回調査以降インターネットの利用時間に大きな変化はなく・・・」ともあり、情報のトラフィック、内容の若干の変化はあるものの、総じてこのような「特に変化はなく」的な論調だ。

もちろん、ネットの3大目的の「情報収集」「商品購入」「メール」に関しては、以前と比較しも、半数以上の人が増えたとしており、ネット利用者の間では、より深く生活の中に浸透してきたと見るほうが正しいだろう。

しかし、一部のメディア、業界のフロントランナー(とされる人たち)によるブログからツイッターへ、さらにツイッターからFacebookへ的なメディアでの発信手段としての変化へのあおりは、今回のこうした数字を見る限り、一般消費者を相手にしているメーカーや小売店が取り組む場合、しっかりと現状を把握する必要があることを物語る。

実際の調査結果を見ても、SNSなどのコミュニティ、情報発信機能について、利用者は4人に1人という結果だった。しかも、この4人にあたる分母は、あくまでネット利用をしている人の中でという意味であり(そもそもこの調査自体インターネットで行われておりこうした全体の傾向をみる調査でひとつの手段のみを使うこと自体に疑問は残るが)、実際にはさらに減る。

我々、インターネットに関わるビジネスをしている者にとっては、「ネットを制することが・・・」的なアプローチをとることが少なくないが、どのような形にしろ実態を把握する必要性を認識しなければならない。

ふたつめの傾向は、年代によって大きな利用内容の差が生まれてきたということ。これこそがインターネットが普及してきた証なのだと思う。10代は10代なりの60代は60代なりの利用の仕方があるのがインフラとしての条件で、本屋さんにあらゆる年代の人がいるのと同じだ。

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