カシオは「美肌ジブン撮りカメラ」と称し、EX-Z800の販促キャンペーンを行った。 まさにセオリーとも言えるマーケティング施策はどのような結果をもたらすか。
カシオは、今年度四半期ベースは昨年の赤字から黒字化する予定であるものの、デジタルカメラ部門でじりじりとシェアを下げている中、「美肌ジブン撮りカメラ」と称し、アパレルブランドとのコラボ商品の発表に加え、人気タレントのトークショーなど、EX-Z800の販促キャンペーンを行った。
「美肌ジブン撮りカメラ」とは、自分をしっかりと撮りたいが、高精細すぎて肌の不具合が写るのも困るという女性ニーズに応えた、自分をきれいに撮るためのカメラだ。
実際に、撮影された顔は、顔検出機能によって自動的に補正され、きれいになっているという。カシオの自信の提案だ。
このキャンペーンは、まさに教科書どおりの展開で、入念なアンケートによるマーケティング調査に始まり、明確なターゲティングとベネフィットの提示、また、使用シーンの提案と合わせた新しい活用ジャンル提案、他業種とのコラボレーションまで行うという、単なる「マシン」としての訴求を超えた、秀逸なマーケティングセオリーを地でいくキャンペーンストーリーとなっている。
有名アパレルブランドとのコラボレーションは積極的で、「ABISTE」「H.A.K×Soup」「FRAPBOIS」「COOKIE FORTUNE」などとのコラボモデルも発表し、「ABISTE」と「COOKIE FORTUNE」とのモデルは、カシオオンラインストア「Selpoi(セルポア)」にて販売中だ。
EXILIMは昔からコラボレーションモデルには積極的で、過去、中日ドラゴンズ、ウルトラセブン、坂本龍馬、NARUTO 、天才バカボン、仮面ライダーなど、子供向けスニーカーのようなこともやっている。
デジタルカメラ業界は、1位のキャノンは別として、四半期ごとに2位~4位が入れ替わるような状況で、各社明暗を分けている。
その1位のキャノンでさえ、2010年第3四半期7月~9月)連結決算は、売上高が前年同期比2%減の1,570億円、営業損失は8億円の赤字、経常損失は5億円の赤字となっており、デジカメなどのコンシューマー向け事業が落ち込んでいる。一眼レフカメラは伸びているものの、コンパクトデジカメが足を引っ張る格好となっている。
現在はソニーだけが元気で、今年9月のBCNランキングのデジタルカメラ総合 メーカー別販売台数シェアおいて、キヤノンに次いで2位となった。 2010年1月には5位だったにもかかわらず、ミラーレス一眼によって一気にシェアを伸ばしてきた。
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