企業向けソフトウェアの販売サポートを提供する株式会社アシストには「ソリューション研究会」と呼ばれるユーザ会がある。アシストのユーザ企業なら誰でも無料で参加可能な研究会だ。その中心的な活動の「分科会」で、年に一度優れた研究に賞が授与される。4年連続「全国最優秀賞」を受賞したスゴイ人がいる。関西電力株式会社の上田晃穂氏だ。上田氏にユーザ会のような、社外の異業種交流でいかに自己研鑽を行っているかを聞いた
■4年連続、全国最優秀賞を受賞するスゴイ人
アシストの「ソリューション研究会」は、ユーザ会会員同士の異業種交流会であり、会社や実務を離れ、肩書きや年齢を超え、知恵を出し合う場であり、時には、上司や同僚にも言えないような悩みを打ち明けられる良き相談相手が見つかる場でもある。
そんな、共に成長しようとする「場」であるソリューション研究会にスゴイ人物がいる。関西電力株式会社の上田晃穂氏だ。
初参加の2006年から毎年このソリューション研究会の分科会活動に参加し、今年で5年目。年間通して研究した成果を提出する論文形式の活動報告書で、全国で18前後ある分科会の頂点『全国最優秀賞』を連続して受賞するという快挙を成し遂げてきた。研究テーマは、バランス・スコアカード、内部統制におけるIT統制、情報共有とコミュニケーション、経営の見える化の仕組み作り、など多岐にわたる。
例えば2008年度に上田氏が参加した分科会のテーマは、情報共有と企業内コミュニケーション。
まずは分科会メンバー内で、実際の会社業務の中でどんな問題を感じているかを徹底的に話し合い、そこから問題点を丁寧に洗い出していく。それから全員で智恵を絞って解決策をまとめる。それらの地味ながら丹念な作業と、メンバー同士で過ごした濃い時間とで、1つの研究成果を導き出した。
この分科会の発見は、こうだ。「企業内コミュニケーションなくしては、情報共有はできない。そして、情報共有推進なくしては、組織改革もできない」。また、「情報共有には、個人レベルでの意識改革が必要で、それには権力による指示や処罰をちらつかせることよりも『共鳴』が大切で、共鳴をさせるには『情報の情』と『感情の情』の相互作用があり、それぞれに適切な『場』からその作用が生まれることを意識した体制作りが重要である」
このように、コミュニケーション活性化と情報共有をいかに推進していくかに焦点を当て、研究を完成させた。研究成果のプレゼンテーションを行う「分科会発表会」では、円滑な人間関係や業務連携ができていなかったダメな組織が、うまく行っている組織のさまざまな工夫や取り組みを参考にして、やがて組織として生まれ変わるストーリーを、分科会メンバーによる寸劇を交えて、かなり具体的に、かつユーモラスに描いた。
「ダメダメ組織からの脱却~コミュニケーションなくして情報共有なし~」
出典: アシスト ソリューション研究会
2008年度 西日本 情報共有・企業内コミュニケーション 分科会活動報告書より
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