2010.12.29
ソーシャルな時代に大切な姿勢~「先意承問 和顔愛語」
寺西 隆行
(株)Z会
2010年、webの世界では「ソーシャルメディア」という言葉が騒がれ、多くの人・企業がその活用法を見つけようとしました。 僕自身「ソーシャルメディア」の運用者として何度もメディアに出させていただきましたが…正直そんなに特別なことをしているつもりはありません。 取り組む姿勢だけの問題です。それが「先意承問 和顔愛語」。
「先意承問 和顔愛語」の正確な順序としては「和顔愛語 先意承問」です。
自身のブログのタイトルにも使っている「和顔愛語 先意承問」という言葉は、僕が最も大切にしている言葉です。そして年末に、(ほぼ)必ず記事にしたためることにしています。
改めて意味をご紹介したいと思います。
出典は仏教経典の「大無量寿経」。文字通り訳せば、「にこやかな顔、優しい言葉で、相手の気持ちを察し、先んじてその人の期待に応えましょう」というもの。人間は一人だけで生きているわけではなく、多くの人たちのお世話になって生きているわけで、そう考えると、どんな人に対しても笑顔で接したくなるでしょう、という、人間としての悟りの境地を簡単に述べた言葉です。
当時ダイキン工業の副会長だった井上義國氏により、日本経済新聞夕刊の「あすへの話題」のコーナーで紹介されていました。
ちなみに当時、ダイキン工業の企業規模は今ほど大きくなかったのですが、その後「エアコンといえばダイキン」と言われるほど成長し、社員を大切にしつつチャレンジ精神溢れる企業として日経ビジネスにも取り上げられるほど大企業になりました。井上氏の精神が活きていたのかもしれません。
今年、この言葉を思い返すにあたり、一人の人、および私事で恐縮ですが、一つの出来事を紹介したいと思います。
まずは出来事から。
昨日(28日)、弊社(Z会)のメールサーバーがダウンして(泣)、システム課はおおわらわでした。
午前からダウンし、完全復旧したのは20時。
そのお知らせがイントラネットにあがったとき、僕はシステム的な「問い合わせ」の際に使うことになっている「ヘルプデスク」から、こんなメッセージを投げました。
「年末にメール担当者の方は大変だったと思います、おつかれさまでした!
問い合わせではありませんが、大変だったことが容易に想像つきますので(苦笑)
こういう連絡にこのメールは使っちゃいけないのかもしれませんが、年末なので一言「おつかれっ」と言いたくて書きました!
※返信結構です。」
僕なりの「先意承問」です。するとシステム課の担当者からこう返ってきました。
「こんな涙を誘うメールには思わず返信してしまいますのでご容赦ください。
たびたびの遅延騒ぎで本当に申し訳ない限りです。
機器もソフトももうヨレヨレで、なんとか新環境構築までがんばってくれと思っているのですが、そういう時を狙って神は試練を与えるのですね。
暖かいお言葉ありがとうございました。」
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