起業する。または、プロジェクトを立ち上げて遂行する。 そんな時、誰しも「失敗」は避けたいはず。では、どうすればいいのか。 一つの絶対法則がある。「人間の行動は思考に従い、思考は言語によって形成される。故に、適切な行動のためには目的・目標・手段を正しく言語化しておく必要がある」ということだ。
「失敗」といっても色々な状態があるが、ここでは「こんなはずではなかった・・・」という状態に陥ることとしよう。自らの望まざる結果を招くということだ。
なぜ、道を誤るのか。それは、そもそものゴール設定が間違っている。もしくは曖昧であったからということが多い。
「戦略」という言葉はビジネスにおいて多用される。
では、「戦略」とは何か。
『戦略とは「目的」と「手段」の組み合わせである。つまり「戦略」=「目的+手段」である』と、『世界一シンプルな戦略の本』(PHP研究所:長沢 朋哉・著)にある。
目的なき戦略、つまり単なる「アクションプラン」の集合体である誤った戦略に従って行動した結果、「こんなはずではなかった・・・」という結果を招くことは多い。
上記定義に従うと、「目的」というものが極めて重要であることがわかるはずだ。
しかし、ここでありがちなことは、『「目的」と「目標」の取り違え』だ。両者の関係は以下のコラムに詳しい。
『「目標」と「目的」の違い』(INSIGHT NOW:キャリア・ポートレート コンサルティング 代表 村山 昇)
http://www.insightnow.jp/article/3310
村山氏は<目標とは単に目指すべき方向や状態(定性的・定量的に表される)をいう。
そして、目的はそこに意味や意義が付加されたものである>と説く。それを数式化すると<「目的=目標+意味」>であると。
「失敗した」「こんなはずではなかった・・・」と結果を嘆くのであれば、そもそも、「どうなるはず」だったのかが問題だ。
業界トップシェアの地位を奪取する。・・・それは「目標」だ。
それを達成するためのアクションプランを組み合わせれば、「戦略」になるが、そもそも、業界トップは何のために、何を実現するために達成する目標なのか。それに何の「意味」があるのか。・・・つまり、「目的」は何かということだ。
例えば、業界トップシェアを奪取して規模の経済を働かせ、より低廉な価格で顧客に商品を提供する。その結果、シェアを維持・拡大し、安定的に低廉な価格での提供を継続して、顧客の生活に貢献する。これは、一つの「目的」だ。
目標だけを追い求めれば、シェアのパーセンテージの上下に一喜一憂し、トップになったとしても、まかり間違って2位に転落した瞬間にこの世の終わりのような気分になる。しかし、目的が明確であれば、「規模の経済を働かせる」というアクションプランが、どの程度のシェアで効果を発揮するのかがわかり、顧客に貢献できるような価格の達成見込みも見えてくる。短期的目標設定、近視眼的視野に陥ることもない。
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2009.02.10
2015.01.26
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。