大晦日に、「年越しそば」は食べましたか? 手作りであれ、カップめんであれ、食べた人多いんじゃないでしょうか?
私が生まれ育った福岡・筑後地方には、どういうわけだかラーメン屋とうどん屋しかありません。(とういうのはウソですが実感として)
そばを食べるのは年1回、大晦日の夜だけでした。実家で作っていたのは丼に入った温かいそばです。ですので、18歳で上京して初めて、「ざるそば」というものがあることを知りました。(というのもウソですが実感として)
実際、上京するまで「そば屋」というものに入った記憶がないのです。
では、「年明けうどん」は食べましたか?
聴いたことはあっても、実際に食べる人はまだそれほど多くでしょう。でも、年明けうどんは、少しずつ定着しつつあるようです。
年明けうどんは、「さぬきうどん新興協議会」が2008年に、
「新年に太くて長いうどんを食べて長寿を祈る」
と提唱したもの。白いうどんに、梅干し、エビなどの赤い具材を乗せて、紅白に彩ることでめでたさを演出します。
新聞記事や「年明けうどん」Webサイトの報道資料を見ると、「年明けうどん」の商標登録使用申請は、2010年11月25日時点で45都道府県、491業者。前年度より200業者ほど増加したそうです。
また、スーパーやコンビニでもお正月セールの目玉として売るところが増えていますね。おかげで消費者の認知も高まってきたというわけ。
それにしても、2008年からわずか3年でここまで認知が高まったケースは珍しいほうでしょう。ただ、これは単に「運が良かった」わけではないと思います。
「年明けうどん」のWebサイトを見るとわかりますが、関係者の方が熱心に、また地道に「年明けうどん」の浸透のための各種施策を続けてきたことがわかります。
うどんはもちろん、おいしいですよね。でも、ただおいしいだけでは駄目なのです。そのおいしさをさまざまな工夫をして演出し、人々に効果的に伝えていくことが必要。
「富士宮やきそば」をB級グルメの頂点にまで育て上げた、富士宮やきそば会長、渡辺英彦氏が取り組んだこともまさに同じ。
「富士宮やきそば」のおいしさを人々に知らしめるために、積極的にPRし、とりわけマスコミを巻き込むことに努力したからこそ今の成功がある。
「年明けうどん」も、ひょっとして優れたブランドコンサルタントがフォローしているんでしょうか、マスコミ対策がバツグンにうまい。
大晦日は「年越しそば」、年明けは「年明けうどん」が、日本家庭の当たり前の風景になるのもそう遠くないかもしれません。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。