第三の開国と資材・調達・購買に望まれること

2011.01.08

経営・マネジメント

第三の開国と資材・調達・購買に望まれること

野町 直弘
調達購買コンサルタント

今年の資材・調達・購買のトレンド(大胆予想)

 皆様、明けましておめでとうございます。

 今回は新年第一号ということで今年の資材・調達・購買のトレンドについて大胆予想したいと思います。

 昨年の年頭に私は「今年は『買い控え』から『良い買い物』が重要視される、正に『買う技術』が新機軸での企業の競争力に影響を与える・・」というようなことを述べました。

 しかし、世の中は思った以上に早いスピードで変わりつつあります。

 リーマンショック以降の景気低迷と超円高ショックは日本の特に製造業に対し「脱日本」「脱円」を想像以上のスピードで強いています。

 私は2010年~2011年は後々振返ると経済活動上大きなターニングポイントだったと将来言われるのではないか、と考えています。

 それは「第三の開国」とも言えるでしょう。

 「第一の開国」は言うまでもなく1853年ペルーの来航によってもたらされたものでした。

 「第二の開国」は1985年のプラザ合意にたんを発した円高期です。
しかし第二の開国期は日本の大手企業の海外進出を促したものの、この時期は対米国に対する開国でしかありませんでした。

 今おこりつつあるのは「第三の開国」であり、真のグローバル競争時代なのです。

 第三の開国期には日本企業はあらゆる面であらゆる国とグローバルで戦わざるを得ないのです。

 こういう時代にはグローバル競争に勝つための生産拠点展開や強いソース先の確保が極めて重要になります。

 またある断面で最適化されていたものが数カ月後には陳腐化するような事態がたびたび起こってきます。

 つまり対応力、スピード、最適化の3つの能力が求められてくるのです。

 当然、資材・調達・購買部門の役割はたいへん重要になってきます。
 
 特にソース先を見極める能力、つまりサプライヤマネジメント能力が益々重要視されてくるでしょう。

 ここでのサプライヤマネジメント能力で重要なポイントは
「よいサプライヤを見つけ出し、見極め、短期間で関係性を構築する能力」になります。

 従来の資材・調達・購買部門は多くの企業であまりにもコスト近視眼になっています。

 一点一点の案件毎のコストを見極める能力も重要ですが、より多面的な知識、ノウハウが必要になってきます。

 今までは品質保証や設計がサプライヤの技術力や製造現場の力を評価すれば事足りました。資材・調達・購買部門は高度に分業された中でどちらかというとコストの見極めに力を発揮さえすれば良かったのです。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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