最近オフィスを移転されたクライアントのビルは、エレベーターのドアがガラス張りになってます。つまり「シースルー」なんですけど、これ、なんともバツが悪い状況を生み出すのです。
それは何かというと、先方での打ち合わせが終わると、クライアントのご担当がエレベーターのところまでお見送りに来てくれるわけですよ。そして、「ありがとうございました」などと言いながら、お互い、エレベータのドアが閉まるタイミングで頭を下げる。
そこまではいい。
で、頭を上げると、ガラス越しにまた相手と目があってしまう。その時、どんな表情をすればいいのかわからない(笑)なんとなく恥ずかしげに片手を軽くあげたりして。
つまり、オフィスビルで、エレベーターをシースルーのガラス張りにしてしまうのは、ちょっと落ち着かない感情を生み出しやすいので、あまり好ましくないということがわかりますね。
次に、東京駅・丸ビルのエレベーター。(ショッピング・レストラーンゾーンのもの)こちらは、ちょっとイライラさせられる設計になっています。
何かというと、最近のエレベーターでは大抵ついている、「カゴが今どのあたりを動いているか」という表示がないのです。ですから、エレベーターの前にいても、いつ自分の階にカゴがくるのかまったく予測できない。
最近、都内のバス停では、次のバスが今どこの停留所あたりにいて、到着までおよそあと何分かという表示がありますよね。あんな機能があると、10分、15分待たなければならないとしても、心理的にはいらいらせずに待てます。
ところが、丸ビルのエレベーターは、実際の待ち時間はわずか数秒、数十秒かもしれないけど、「いつくるかわからない」という状況が軽いイライラを生み出してしまうのです。実際、私だけでなく、エレベーターを待ちきれずに、すぐ後ろにあるエスカレーターに乗る人をよく目撃します。
ひょっとして、エスカレーターを使わせて、店内を回遊させるための意図的な設計ではないかと思ってしまうほどです(笑)
他にも「不愉快すぎるエレベーター」って、あなたの近くにありませんか?
余談ですが、次のようなクイズというか、思考訓練があります。
あるホテルでは、エレベーターが一基しかなく、朝のチェックアウト時にエレベーターが混雑するため、「なかなかエレベーターが来ない」、といった宿泊客からの苦情が多いという問題がありました。施設の制約上、エレベーターは増設できません。宿泊客のチェックアウトが集中する状況を変えるのも困難です。
このホテルの苦情を減らす効果的な解決策を考えよ。
というもの。わかりますか?
回答は、「エレベーターの前に鏡を設置する」です。鏡が置いてあれば、待つ間に自分の身だしなみをチェックできるので、待つのが苦にならないというわけです。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。