このところ、世界最大のオンライン旅行会社「エクスペディアジャパン」Expedia.co.jpの広告が目立ちますね。日経新聞でも15段全面広告とか打ってるし。
最初に目を引くのはやはりなんといっても、あのクマさんですね。彼(彼女?)は、「エクスベア(Exbear)」という名前らしいですが、昨年(2010年)リニューアルが行なわれた際に新たに登場したキャラクターです。彼(いちおうオスとしておきます)は“かしこく、めんどくさがりや”な性格なので、便利なエクスペディアを使う、という設定になっています。
実は、海外本サイトに、エクスベアくんはいません。日本だけの独自キャラクターなのです。
そもそも、リニューアルされた新サイトのデザイン自体、海外の本サイト、Expedia.comと最低限のトーン&マナーは合わせてありますが、日本人向けの大きなカスタマイズが行なわれているのです。
先日の「グローバルWebサイト構築上の問題・課題点」でも書きましたが、日本人は色彩豊かで賑やかなデザインが好きです。しかし、エクスペディアジャパンが2006年に日本に進出、最初のWebサイトをリリースした時、ほぼ海外本サイトを踏襲したデザインだったそうです。本サイト(Expedia.com)のデザインの基本方向は、「スタイリッシュ、クールかつシンプル」というもので欧米人好み。日本人が見る印象としてはちょっとそっけない感じ。
そこで、昨年に実施したサイトリニューアルでは、日本人の嗜好を研究し、現在のような比較的カラフルで楽しげなデザインに変更されたのです。(純粋な日本のサイトに比べると、それでもまだまだおとなしめですよね・・・)
海外本サイトとエクスペディアジャパンのサイト、ちょっと比較してみてください!
さらに、クマのキャラクターも登場させたのは、日本人はこうした可愛らしい動物系のキャラクターがとりわけ好きだからです。エクスベアがいることで、日本人はエクスペディアにより親しみを持ってもらえる、そう考えての起用だったようです。
もちろん、欧米でもキャラクターが採用されているサイトがありますが、どちらかというと大人っぽく、かわいげのないものが多い。なぜなら、かわいすぎるキャラクターを登場させてしまうと、子供向けというイメージを与えてしまうからなんですね。(元々、子供向けならOKですが)
ですから、本サイト、Expedia.comにエクスベアくんが出演することはまずないでしょうね。
*以上は、エクスペディアの日本ローカライズを担当しているBrandon K. Hill氏の取材記事を参考に書きました。(出所:Web Site Expert #34)
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。