女性ファッション雑誌に対する消費者行動は、 1 自分で買って読む人 2 自分では買わず、美容院等で読む人、書店立ち読み人 3 そもそもまったく読まない人 に大きく分けることができます。
・1の自分で買って読む人=購読者
・2と3の両方を含む人=非購読者
という購読者・非購読者に2分して、それぞれの消費行動の特徴を見ると大きな違いがあることが最新の調査でわかっています。特に興味深いのは以下のような事実。
----------------------------------
・購読者は、非購読者よりも、ファッション・化粧品、 外食・グルメ、旅行、金融・保険商品、乗用車など多様な商品・サービスに関心が高く、消費行動が活発である。
・購読者は、非購読者と比較して、1カ月に使う金額が、 ファッション、化粧品で約2倍、バッグ・靴、ジュエリー・ アクセサリーにおいては2倍以上。
・購読者は、非購読者よりインターネットの利用時間が短い、しかし、ネットショッピングの金額は高い。
----------------------------------
わざわざ自腹でファッション誌を買うくらいですから、「消費が活発なのは当たり前でしょ!」と言えば、確かにそうなのですが、調査結果としてきっちり数字で示せたことが大きい。
インターネットメディアの隆盛によって、相対的に紙メディアの価値低下が顕著ですが、少なくとも、女性ファッション誌については、その価値が見直されるべきなことは明らか。
なぜなら、女性誌読者、とりわけ購読者は、自社商品をたくさん買ってくれる可能性が高い、企業にとってはありがたいお客さんであり、そしてまた、トレンドを牽引するトレンドセッター、オピニオンリーダーです。そうした方に効率的にリーチできるのが女性ファンション誌と言えるからです。
さて、女性誌の購読者と非購読者にこれほどまでに大きな差が開いたのは、おそらくこの10年ほどのことだと思います。経年比較ができないので推測になりますが、ひとつはネットの浸透が両者の差を広げたのではないか、ということ。
ネットが「誰でもメディア」になることにより、紙メディアをわざわざ買わなくても、ネットで十分だと割り切る人が増えました。(これは雑誌だけでなく、新聞含めあらゆる 紙メディアに起きていますが)
一方で、周囲に差をつけられる、価値のある編集された情報はネットではなく、まだまだ紙でしか得られないと考える、本当の意味で情報感度の高い人が女性誌を購入し続けている。(ですから、多面的な情報収集・消費活動で忙しい購読者は、 ネットばかりやってる時間はないため、非購読者よりネット 利用時間が短いのでしょう)
次のページ“70年代から80年代にかけては、女性誌はファッション...
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2015.07.10
2015.07.24
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。