「本を出すには、どうしたらいいんですか?」 という質問をいただくことが良くあります。 私も2冊目の著書を出したばかりですから、自信をもって「こうすれば出版できる!」と答えられるレベルではないというのですが、それでも、苦労をした分だけなにがしかの参考にしていただけるかと思い、経験を共有させていただきます。
実際、私自身の経験から言っても、本を出しているというだけで人間力が5倍ぐらいアップする感じ。たとえて言うならば、ピカチュウがライチュウに進化するようなものでしょうか。
もちろん、自分自身が大きく変わるわけではないのですが、著書があるかないかで人からの見え方はずいぶん違うようです。
「有名人経済」とも言われるように、人からの評価がビジネスにおいて価値を増す中、士業で独立されている方はもとより、会社勤めのビジネスパーソンでも自分のブランドを立てることが成功パターンの一つになっているようです。
本の出版に取り組む一つのきっかけに、本稿がなれば幸いです。
さて、ものすごく分かりやすく言うならば、本の出版でブランドを築くまでは7ステップで説明できて、
1. 企画書作成
2. 編集者と折衝
3. 企画再構成
4. 執筆
5. 編集
6. プロモーション
7. 展開
となります。
私自身が一番ハードルが高いと感じたのは、なんと言っても1番の「企画書作成」。
近著「ほんとうに使える論理思考の技術」の企画書も、初めの頃のはたどたどしくって、今読み返すと自分でも恥ずかしくなります。最終的にはバージョン5までブラッシュアップして、初めて担当の編集、中経出版のN村さんのお眼鏡にかなうものになりました。
そんなに苦労してしまった理由は何かといえば、ビジネスでもっとも基本的な、顧客(読者)のこと、競合(類書)のことが分かってなかったから。それなのに自分の想いだけは強くって、独りよがりな企画書になっていて、これを編集のプロに見せたんだから、ホントに赤面ものです。
ちなみに、この初期の企画書も公開はしているのですが、さすがに不特定多数の人に晒すほど勇気はないので、限定制にしています。ご興味がある方は本の公式facebookページで13日の金曜日から始まるキャンペーンに応募してください。
と言うことで、企画書作成のカギは、ものすごくベーシックなことなのですが、ビジネスの3C、つまり、顧客(読者)、競合(類書)、自社(自分が書きたいこと)の整合性をとるところにポイントがあると思いました。
ただ、類書に関しては注意が必要で、むしろ類書がある方が編集者からのウケはよさそう。つまり、
類書がない=マーケット(読者層)がない
と見られてしまうようで、出版の世界においては「ナンバーワンよりオンリーワン」という戦略はあてはまらないようですね。むしろ、売れている類書を念頭に、それとどのように差別化を図るか、を考えるのが王道と言えましょう。
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