コカ・コーラシステムのニュースリリース(6月21日付)によると、<1980年代に人気を博した炭酸飲料として、シトラス系のフレーバーでなめらかな味わい、そしてほどよい炭酸が心地よい「メローイエロー」を2011年6月27日(月)より、そしてクリアで爽快な飲み口、キレのあるレモンライムテイストと強炭酸が特長の「スプライト」を2011年7月25日(月)より、それぞれ全国で発売>するという。
6月22日付の日経MJに1971年以来、年2回恒例となっている「ヒット商品番付」が掲載されている。しかし、今回は異例ずくめだ。何といっても、東西の横綱が不在なのである。<バブル崩壊直後の1991年以来、約20年ぶり>のことだという。
同紙によれば、<東日本大震災で新製品の発売が相次いで中止になったり、延期されたりしたため>だという。そして<三役以上(横綱、大関、、関脇、小結)をはじめ、震災がらみの商品・サービスが上位を占めました>という結果となっている。
震災の影響は飲料業界も直撃した。ミネラルウォーターの需要が高まり、サントリーは3~4月は例年の1.5~1.6倍の出荷体制を組んだという。(3月29日・msn産経ニュース)しかし、<ミネラルウォーターの急激な需要の伸びに、ペットボトル容器のほか、ラベルに使うフィルム、キャップといった資材の供給が追いついていない>(同)という状態が続いた。資材が足りない。足りた分はミネラルウォーター優先。当然、清涼飲料の新発売は先延ばしされる。
震災の影響から様々な業種が脱してきた中、今月に入ってようやく飲料業界にも新発売のニュースが戻って来つつある。筆者も先週末から今週にかけて、「ペプシドライ」と、「ウィルキンソン ジンジャエール 辛口」の記事を伝えた。サントリーとアサヒ飲料の肝いりの新商品である。では、飲料業界第1位の日本コカ・コーラはどう動くかと見ていれば、「メローイエロー」と「スプライト」のリバイバルであった。
メローイエローは日本では1983年に販売開始。松居直美を起用したCMのキャッチコピーは「とっても訳せない味」だった。2006年には検索サイトgooのgooランキングにて、「もう一度飲んでみたいソフトドリンクランキング」第1位となった経緯があるが、それを遡る2年前、2004年にセブンイレブンよりファンタとともに復刻版が発売されている。(Wikipediaの記述)。スプライトは現在も発売中で今回はリニューアルであるが、そのポイントは<日本初登場時の緑のガラス瓶をモチーフにしたラベルデザインとロゴマークに変更>(リリースより)とある。
過去にリバイバル発売を行い、再度復活を望む声も高い「メローイエロー」。そして、発売中のスプライトはパッケージ変更でメローイエローに年代を合わせるように80年代のパッケージにリニューアルをする。そこに、巷の話題をさらおうという意図が見える。
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2015.07.10
2015.07.24
有限会社金森マーケティング事務所 取締役
コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。